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【Race Report】D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2026 第5戦 中国大会

6月27〜28日、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園でD.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026第5戦中国大会が開催された。台風の影響で前日に大雨が降り、コースはマディコンディション。日曜日の午後には晴れてドライコンディションへと変わったが、固くて深いわだちにライダーたちは翻弄された。スケジュールはIA1・IA2クラスは30分+1周の2ヒート制、レディースクラスは15分+1周の1ヒート制で行われ、総勢3,031名の観客が来場した。

【D.I.D全日本モトクロス選手権サポートチーム&ライダー】

■IA1

#1 大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)

#2 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

#3 大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM) 

#4 大塚豪太(T.E.SPORT) 

#7 浅井亮太(BLUCRU YSP浜松BOSSRACING)

#14 道脇白龍(TEAM KOHSAKA with トータルカーサービスK)

#47 池田凌(Bells Racing) 

#54 道脇右京(バイカーズステーション金沢Racing) 

#97 内田篤基(Team Kawasaki R&D)

■IA2

#46 吉田琉雲(Bells Racing)

#51 柳瀬大河(Honda Dream Racing)

#55 田中淳也(YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACING

#58 今岡駿太(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS)

#122 鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪) 

#02 島袋樹巳(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS)

■レディース

#1 川井麻央(T.E.SPORT)

#2 箕浦未夢(Team ITOMO)

#4 穂苅愛香(BLU CRU TOMOレーシング)

#33 本田七海(TEAM KOH-Z)

前日から降り続いた雨の影響で、大荒れのマディコンディションとなった今大会。サポートライダーたちは各自のマディ対策を施してレースに臨んだ。視界確保のためにゴーグルにティアオフを重ねて装着するライダーが多く見られた(ゴーグルのマディ対策についてはこちら)。

また、ZETA RACINGのフェンダーマットを、フェンダーやハンドガード、ヘルメットのバイザーなど各所に貼り付けて泥の付着・重量増加を軽減するライダーも見られた(フェンダーマットの応用術はこちら)。さらに、飛んでくる泥や石から手を守るZETA RACING製ハンドガードを装着してレースに挑むなど、各自の徹底したマディ対策がレース結果にも影響を与えた。

IA1クラス
大倉が総合優勝、ウィルソンはヒート2で意地の逆転

IA1クラスでは、荒れたコンディションの中、序盤からダートフリークサポートライダーがトップ3を形成する。ヒート1でホールショットを獲得したのは#3大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)。#1大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)が序盤でトップに立つと、そのまま差を広げて独走状態を築く。

一方、#2ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)も大城をかわして2番手を走行するが、レース終盤にかけて大城が猛プッシュし、最終ラップで2番手争いを展開。接戦の中、大城がウィルソンをかわして2位に浮上した。結果1位大倉、2位大城、3位ウィルソンでフィニッシュ。

ヒート2も大城がスタートからトップに立ち、大倉、ウィルソンと続くサポートライダー同士の上位争いが繰り広げられる。大倉が1周目のうちに大城をかわしてトップへ立ち、ウィルソンも大城を攻略して2番手から大倉を猛追。大倉の背後につけると、離されることなく後を追う。冷静に体力を温存し続けたウィルソンは、残り2周で大倉を攻略してトップを奪取。そのまま差を広げてゴールし、ヒート2を制した。後方では#97内田篤基(Team Kawasaki R&D)が着実に順位を上げ、レース時間20分を過ぎたところで大城に迫るとそのまま3番手に浮上。結果、1位ウィルソン、2位大倉、3位内田でゴールを果たし、大倉が総合優勝を獲得した。

#1 大倉由揮
「泣きそうです(笑)。決して手を抜いていたわけでもなくて、冷静には走れていたんですが……、最後抜かされてしまったのは実力が足りなかったですね。ヒート1は逃げ切れました。タイムアタック予選でもトップタイムが出ていたので「普通に走れば一番速い」という自信を持って落ち着いて臨めていました。あと一歩、本当にもう一歩というところで決めきれない。目標をもっと上に持っていかないといけないなと思います。次の北海道は両ヒート優勝目指します」

#2 ジェイ・ウィルソン
「正直に言うと辛いレースだった。ヒート1は序盤で腕に力が入らなくなり、自分本来の走りができなかった。ヒート2はできるだけ体力を温存して、メカニックの内村さんが"残り5周"のサインを出した瞬間に攻めると決めていた。下りのセクションでパスしたんだけど、バックストレートでは体力がなくてスロットルを半分くらいしか開けられなかったけど、コーナーで差を詰めて、用意していたラインで抜こうと思っていたから、それがうまく決まったよ。これまでのシーズンなら、すぐ前に出てリードを広げてレースを管理するだけだった。でも今は大倉選手や大城選手たちのレベルは確実に上がっているし、僕の体も万全じゃない。60〜70%の力でひたすら待って最後に抜く……戦略とはいえそんなレース展開を受け入れるのはレーサーとして本当に辛いよ。ここ2戦は固くて激しいギャップが多いコースだったけど、次戦はサンド質なコースだから、あと1戦走りきるよ」

#3 大城魁之輔
「広島はどちらかというと良いことが多いコースなんですけど、今回は最初から最後まで終始ライディングが良くなかったです。今日のコンディションは全然嫌いじゃないですし、マシンも悪くないのですが……ここまで来ると"今週はダメだった"って言うしかないです。ただ、スタートを両ヒートとも決められて、ここ数戦の課題だった”変な転倒”もしなかったので、そこは前向きに捉えています。ライディングもマシンも良いので、あとは対応力と引き出しを増やしていくだけです。次戦は勝ちます」

IA1 総合順位

総合順位 ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #1 大倉由揮 Honda Dream Racing Bells
2位 #2 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY RACING TEAM
3位 #3 大城魁之輔 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
4位 #97 内⽥篤基 Team Kawasaki R&D
6位 #4 大塚豪太 T.E.SPORT
7位 #47 池田凌 Bells Racing
9位 #7 浅井 亮太 BLUCRU YSP浜松BOSSRACING
13位 #14 道脇白龍 TEAM KOHSAKA with トータルカーサービスK

IA2クラス
吉田と柳瀬がそれぞれ優勝を獲得

IA2クラスはサポートライダーの吉田と柳瀬が優勝を分け合った。ヒート1はホールショットを獲得した#56森優介(Team ITOMO)を、#46吉田琉雲(Bells Racing)が追いかける展開。「優介くんのペースを見ながら冷静に、淡々と前に出るタイミングをうかがっていました」と本人が振り返る通り、吉田は森のペースを見極めながら走行し、序盤にかわしてトップへ浮上。そのまま後方を引き離し、今季2勝目を飾った。

一方、予選でトップタイムをマークして1番グリッドからスタートした#51柳瀬大河(Honda Dream Racing)はスタートで出遅れ、さらにヒート序盤にゴーグルのティアオフを使い切ったことで、ゴーグルなしで走行することとなった。加速時に下を向かないと泥が直撃する苦しい状況の中、深いわだちで限られたラインを走りながら徐々に前を攻略。前を走る#48渡辺陵(BLU CRU Team Pitin with M:F)がゴーグルを外した一瞬の隙を突いて抜き返すなど、冷静な状況判断で順位を回復し、最終的に3位でフィニッシュ。「情けない走りだったけど、ホンダライダーで表彰台に3人揃えたことは嬉しい」と表彰台でコメントした。

#55田中淳也(YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACING)は、残り10分を切ってから周囲のペースが落ちる中で安定したラップを刻み続けたが、転倒を2度喫し、最終的に4位でチェッカーを受けた。

ヒート2では柳瀬がスタートから上位につけると、序盤でトップに浮上。「スタートが決まってのびのびと自分のペースで走れた」とコメントする通り、ラップタイムを1分56秒台に乗せる速さで後続との差を12秒以上に広げ、そのまま逃げ切り優勝を飾った。一方、田中は好スタートから2番手でレースを進めたが、柳瀬との差を縮めるには至らず、2位でフィニッシュ。「ヒート1の不甲斐ない結果を取り返したかったが、実力が足りなかった」と悔しさを滲ませた。

なお、ヒート1で優勝を果たした吉田はスタートで出遅れ7番手からの追い上げを強いられた。しかし後半に入ると1分58〜59秒台のハイペースを維持し、周回を重ねるごとに前のライダーをかわして3位まで浮上。最後は田中の背中も視野に入るところまで迫ったが届かず3位でチェッカーを受けた。結果、1位柳瀬、2位田中、3位吉田という順位でレースを終え、柳瀬が総合優勝を飾った。

#51 柳瀬大河
「ヒート1はスタートで出遅れてしまって。さらにゴーグルも序盤で外さないといけない状態になってしまったので、なかなかペースも上がらず苦戦してしまいました。ヒート2はスタートで前に出て、横澤選手の後ろに2〜3周いましたけど、焦ることはなかったです。後ろから田中選手が来ているのもわかっていたんですけど、そこまで向こうからプレッシャーをかけられる距離感でもなかったので、冷静に走り切ることができました。ヒート2でしか勝っていないので、北海道こそ両ヒート優勝目指して頑張ります」

#46 吉田琉雲
「苦手なコンディションではありましたが、ヒート1で勝てて良かったです。ヒート2は前を走るライダーのペースに合わせてしまって、なかなかペースを上げることができなくてもどかしかった。これまでマディでしか勝てていなくて、ドライコンディションでも速いっていうのを見せたかったのです。悔しいですが、3位にまで追い上げることができたので前向きに捉えています。次の北海道でも勝てるよう頑張ります」

#55 田中淳也
「課題は荒れたコーナーのわだちやギャップのこなしと、ライン選択。ヒート1は中盤に1回転倒して、さらにラスト2周にも転倒して、4番手まで落としてしまいました。ヒート2は気持ちを切り替えて、自信を持って臨んだのですが、ライン選択が良くなくて、でも違うラインに変える勇気が出なかった。次戦まで時間はないですが、誰にも負けないぐらいトレーニングや練習をしたと自信を持って言えるぐらい、口だけじゃなくしっかり取り組んで、次こそは優勝します」

IA2 総合順位

ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #51 柳瀬大河 Honda Dream Racing
2位 #46 吉田琉雲 Bells Racing
3位 #55 田中淳也 YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACING
6位 #122 鴨田翔 Kawasaki PLAZA 東大阪
14位 #58 今岡駿太 Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS
18位 #02 島袋樹巳 Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS
25位 #60 松⽊悠 Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS

 

レディースクラス
大波乱を制した川井麻央が今季5連勝

レディースクラスは、#2箕浦未夢(Team ITOMO)が好スタートを決めて2番手に立つと、序盤から#14川上真花(YSP浜松 BOSSRACING)とトップ争いを繰り広げる。粘り強く追い続けた箕浦はレース中盤にトップに浮上。しかしその転倒を喫し、順位を落としてしまう。

一方#33本田七海(TEAM KOH-Z)はレース前半から好調なペースで3番手を走行。4番手につけた#1川井麻央(T.E.SPORT)と表彰台争いを繰り広げる。そんな中、箕浦の転倒により川上も一時詰まったことで本田が一気にトップに浮上。波乱の展開となったが、さらにその後本田も転倒。すぐに復帰したものの、惜しくもトップ争いから離れることとなった。

レース終盤にかけては、第4戦と同じく川上と川井に接戦が展開される。川井は前日からのフリーセッションでバイクのセッティングが合わず、フラストレーションを抱えたまま決勝を迎えたということだが、前を走る川上に最後までプレッシャーをかけ続けた。そして迎えた最終ラップ、周回遅れが絡んだことで先行ライダーが荒れたラインを選択。その隙をついて川井がトップを奪い、見事逆転優勝を果たした。

なお、#4穗苅愛香(BLU CRU TOMOレーシング)は序盤で5番手に着けると安定した走りでポジションを守りきりゴールを果たした。

#1 川井麻央
「走り自体の内容は正直よくなかったですが、勝てて良かったです。流れが全部自分のものになっているように感じています。最後は周回遅れが入ったラインと違うラインを川上選手が選んで、そこが荒れたラインだって知っていたので、開いたラインを使って抜かすことができました。こんなに上手くいくとは思っていませんでしたが、最後まで諦めずプレッシャーをかけた結果だと思います」

#33 本田七海
「今年はバトルするレースができていなくて、2〜3番手を走っていても前と全然離れているレースが多かったんですけど、今回は4番手まで詰まった展開だったので、チャンスは絶対来ると思って走っていました。箕浦選手と川上選手が前で転倒して引っかかって、実際にチャンスは来たんですけど、甘くなかったです。練習からだいぶ調子が良くて、長く続いてた悪い流れをここで変えて北海道に行きたいという気持ちが強かっただけに悔しいです。走るたびに良くなってきているとは思うので、あとは結果に繋げるだけです」

レディース 順位

ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #1 川井麻央 T.E.SPORT
3位 #33 本田七海 TEAM KOH-Z
4位 #6 箕浦未夢 TEAM ITOMO
5位 #4 穂苅愛香 BLU CRU TOMOレーシング

各クラスでサポートライダーが躍動した第5戦中国大会。次戦は第6戦、北海道にある新千歳モーターランドで開催される。ダートフリークサポートライダーたちの走りに、引き続き注目していただきたい。

 

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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