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本田七海、永澤匠真のロレッタリン挑戦記

アメリカ・テネシー州で毎年夏に開かれる「ロレッタリン」は、世界中からアマチュアの精鋭が集まる、まさにモトクロス界の甲子園。この夏、私たちダートフリークが応援する本田七海選手と永澤匠真選手が、この大舞台に挑みました。彼らが全力を尽くした、6日間を振り返ります。

そもそも「ロレッタリン」って?

正式名称は「Monster Energy AMA Amateur National Motocross Championship(モンスターエナジー AMAアマチュアナショナルモトクロス選手権)」。今年で45回目を迎えた、アメリカを代表するアマチュアモトクロスの祭典です。全米各地の予選を勝ち抜いた1,800人以上のライダーが集まり、8月3〜8日の6日間にわたって開催。決勝が行われる4〜8日の5日間は、朝7時から夜19時までひたすらレースが続きます。

なぜ“甲子園”なのか。それは、ここが未来のスター選手を生み出す登竜門として機能しているからです。甲子園で活躍した選手がスカウトされ、プロへと道を進めるのと同じように、いま世界のトップで活躍するプロライダーの多くが、この大会を通じて羽ばたいていきました。AMAで活躍を続ける下田丈選手もその1人。大会期間中は各メーカーのスカウトも訪れ、ここで結果を残せばプロへの道がひらけます。

この舞台はとにかく過酷。真夏の8月、気温は30度超えで湿気の多い気候のなかで行われます。開催クラスは全36個、42台のフルグリッドで、3ヒート制で争われます。

さらに、ロレッタリンのコースはこの大会期間にしかオープンされず、コースのレイアウトは45回の歴史で一度も変わっていないのが特徴です。「変わっていない」と聞くと攻略しやすそうに思うかもしれませんが、話は逆。1,800台以上が走るうちに路面はどんどん掘れて、もはやジャンプのような大きなギャップができ上がります。しかもこの荒れ方は、当日走ってみないとわかりません。練習走行は決勝前日(3日)のフリープラクティスのみで、決勝当日は1周のサイティングラップだけ。ライダーたちは、ロレッタリン特有の難しさと何日も向き合い続けることになるのです。

ロレッタリンに挑んだ2人

今回ロレッタリンに挑んだのは、ダートフリークがサポートする本田七海選手と、日本国内でサポートしている永澤匠真選手の2人です。

永澤選手が出場したのは、85ccを112ccにボアアップしたフルチューンドマシンで競い合う、Supermini1とSupermini2の2クラス。永澤選手自身ロレッタリンへの挑戦・決勝進出は3回目ですが、過去には怪我で決勝を走れなかった年もあり、実際にコースを走るのは2回目でした。

一方、本田選手は女性ライダーのみで競い合うWomenクラスに2年連続で挑戦。昨年はヒート1こそ21位に沈みながら、そこから立て直して総合10位でフィニッシュした経験を持っています。

本田七海:2年目の経験を武器に狙う表彰台

2年目の出場となる本田選手の滑り出しは上々でした。初日のフリープラクティスではクラス5番手のタイムを記録。「今年は上位2名がずば抜けて速いけど、3位以降は実力差があまりないので上位をうかがえる位置にいる」と分析し、この大会で表彰台を目指して決勝に挑みました。

なお、本田選手はダートフリークが取り扱うZETA RACINGのパーツやDFGのウエアを使用/着用してロレッタリンの決勝の舞台に挑みました。

ヒート1、スタートから6番手まで浮上する場面がありましたが、ギャップの大きさを前に思うように攻めきれず、8位でフィニッシュ。「去年は走るたびに手応えをつかんでいけたのに、今年はギャップの大きさをなかなか超えられず、怖いという感覚がぬぐえない。自分の気持ち次第ですね」と語ります。「守りに入っている部分を変えないとギャップも超えられないと思うので、まずは気持ちですね」と、自分を冷静に見つめられるのはこれまで積み重ねてきた経験があるからこそ。残り2ヒートに向けて調整を重ねます。

ヒート1の後に出た言葉の通り、気持ちを切り替え迎えたヒート2では、スタートでアウト側に膨らみ出遅れますが、すぐに追い上げ10位圏内を走行。そのままゴールを果たしますが、レース後、黄旗無視の判定により15位に順位を落としてしまいます。悔しさを滲ませながら、残すところはあと1ヒート。

最終ヒート、好スタートを決め序盤6番手を走行。後方から迫り来るライダーを抑えながらポジション争いを繰り広げます。順位を落としながらも、後ろから迫るライダーを抑え込み、最終ラップまでの接近戦を戦い切り、8位でレースを終えました。

クラス ヒート1 ヒート2 ヒート3 総合
Women 8位 15位 8位 10位

総合順位は10位。昨年に続く、トップ10フィニッシュです。今年はより難しい路面と、そして自分自身の弱さと向き合いながらつかんだ10位。「悔しさの残る結果になった」と語る本田選手ですが、ここで得た経験とその価値は決して小さくありません。

永澤匠真:タイヤのパンクに転倒、それでも見せた実力

永澤選手にとっては対応力を試される1週間となりました。

初日、Supermini1のヒート1は猛烈な追い上げでレースを10位でフィニッシュ。ロレッタリンは10位まで入賞県内のため、初戦からトップ10という好成績を残します。しかし、レース後に黄旗無視と判定されて2順位降格。12位まで順位を下げてしまいます。続く2日目、Supermini2のヒート1ではスタート位置を決めるくじ引きで42台中39番目と、幸先の悪いスタートに。それでも抜群の反応で序盤から上位に食い込みますが、エンストにより後退。その後も数回転倒があり15位でゴールを果たします。

なかなか思うようにペースを掴めない永澤選手、気を取り直して迎えた3日目も、序盤で転倒し苦しい展開になってしまいます。その後ペースを上げることができず、レース中盤でピットに戻り、そのままDNF。レース後に話を聞くと実は1周目の時点でタイヤがパンクしていたとのこと。諦めてもおかしくない状況のなか、永澤選手はマシンを止めず走行を続けましたが、無念のDNFとなりました。

流れが変わったのは大会が後半に入ってから。これまでのマシンセッティングを変更。この見直しが見事にハマります。4日目、Supermini2クラスヒート2では、スタートでこそイン側の集団に飲まれて一時は20番手あたりまで沈みますが、そこからの追い上げは圧巻でした。一台、また一台と抜き去り、9番手までポジションを上げていきます。滑りやすい路面でも、落ち着いてペースを刻み、10位でフィニッシュ。さらに同日に行われたSupermini1クラスヒート3では好スタートから1周目には5番手へ。上位ライダーでも飛べるか分かれるビッグジャンプを飛び切るなど、その走りは勢いに乗り、9位でフィニッシュ。「今までのロレッタリンのレースで、一番自分の走りができました」と話すその表情は晴れやかでした。

レース最終日、Supermini2クラスヒート3ではスタートから前に出て7番手争いを展開。順位を落とす場面もありながら最後まで追い上げ8位と、今大会のなかで最高順位でレースを終えました。

クラス ヒート1 ヒート2 ヒート3 総合
Supermini1 12位 DNF 9位 20位
Supermini2 15位 10位 8位 9位

Supermini1クラスはDNFもあり総合順位は上がらなかったものの、Supermini2クラスで総合9位を獲得。不運も、悔しさも、そして確かな手応えも、すべてが詰まった結果となりました。しかし、永澤選手はこの結果について悔しさを滲ませ、さらに上を目指しています。「トップの連中に絡んで、もっとタイムを上げたい」。レース後、その視線はすでに次を見据えていました。

永澤選手が総合9位、本田選手が総合10位。世界中のアマチュアライダーが集う場で、2人がそろってトップ10に入賞しました。しかし、レースは終わっても、2人の挑戦はまだ始まったばかり。次のステージへ向かう永澤選手と本田選手の走りを、私たちダートフリークもこれからも応援していきます。

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アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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