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今はスマートにカスタムする時代。DFカスタムマシンの作り方

愛車を自分好みに仕上げたい、もっとかっこよくしたい。バイクを持っている人なら一度はマシンカスタムについて考えたことがあるのではないでしょうか。しかし、車両をカスタムしたいけど何から手をつけていいかわからない、今の流行りは何なのか? と悩む人も多いでしょう。

https://www.dirtfreak.co.jp/moto/gallery/custombike/

ダートフリークでは自社製品を使用してマシンのカスタムを行っていて、そのカスタム車両はホームページに掲載しているもので36台。ホンダハンターカブCT125やCL250、ヤマハYZ250FX2025年モデルなど、オンロードマシンからオフロードマシンまで、幅広く手がけています。

そこで今回は、マシンカスタムの傾向やおすすめ製品について、ダートバイクプラス瀬戸店の寺尾店長に話を聞きました。簡単に取り掛かれる1stステップ/さらに見た目を変えるための2ndステップ/自分の世界観を作り込むためのテクニカルな3rdステップと、カスタム方法をレベル別に分けて紹介するため、自分の好みや技術量に合ったカスタムをぜひ参考にしてみてください。

「速さよりも快適性」。現代はスマートさがトレンドに

時代や年代に合わせてトレンドが変化するように、カスタムマシンの傾向も昔とは異なります。接客を通して常に流行をキャッチしている寺尾店長いわく、ここ5年ぐらいの傾向としては”スマートさ”と”快適性”が特徴だと言います。

「ここ5年ぐらいを見ると、お客さんの趣味趣向は”大人しさ”が特徴だと感じます。と言うのも、これまでのトレンドを振り返ると、排気音が大きい=かっこいいというイメージで、例えばスーパートラップを装着するなど、いかに音を大きくするかを求めていました。しかし、現代の若いライダーを見ていると、トレンドは昔とは異なり、音の大きいマフラーを装着するというよりは、エキパイだけ変えたいというお客さんがすごく多いです。もはや”うるさいマフラー”がウケない時代です。では今のカスタムにおいて重視されている点は何かというと、傾向として、速さよりも快適性が求められています。

一時は快適装備をどんどん外してレーサーに近づけるという流れもありましたが、競技思考かトレールを楽しむかで二極化した今、特にトレールバイクのカスタムの傾向は”スマートで快適"に移行していて、トレール車で無茶せず、気持ちよくスマートに林道を走るという方向にシフトしていると思います」(寺尾店長)

1st Step:カスタムの第一歩はマフラーではなくハンドガード

まずはハンドガード

これまでは「まずマフラー交換から」と言われるほどマフラーカスタムが第一ステップとして人気でした。一方で、ライディング時の快適性を求めている今は、まずハンドガードからカスタムに手を付ける傾向にあると言います。ハンドガードはカスタムパーツの中でも取り付けが簡単で、見た目の印象もガラリと変わりますし、防風効果を買っている人も多いようです。さらに、ZETA RACINGのハンドガードは車種専用で作られているため、ハンドガードを買ったはいいけどサイズが違っていて取り付けられない……という失敗もありません。

SEROW250ツーリング。ZETA RACING スクードプロテクター使用

ZETA RACING
スクードプロテクター
価格 :¥4,620(¥4,158)

「ダートバイクプラスにお見えになるお客様の中では、ゴツい見た目のハンドガードをつけたいという要望も多いです。オフロードっぽさを求める人たちが多く、例えばZETA RACINGのスクードプロテクターは特にその無骨さが人気です。オフロードっぽい見た目にカスタムして、実際にその車両でオフロードを走る人は1割いるかどうかなのですが、そのオフロードバイクならではの無骨なデザインはかなり人気が高いです」(寺尾店長)

なお、ハンドルは変えずにハンドガードだけつけたいという要望も多いそう。しかし、ハンドルを後から変えようとすると、結局ハンドガードのマウントから見直さなければならないため、先にハンドルを検討するのがおすすめとのこと。

寺尾店長おすすめ製品

寺尾店長おすすめのハンドガードは、話にも出てきたスクードプロテクター。ツーリング向けのデザインで防風効果が高く、見た目の印象もかなり変わるとのこと。

一方で、オフロードバイクっぽさを出したいライダーは、実際にモトクロスやエンデューロなどの競技で使われるZETA RACINGのXCプロテクターを好む傾向がありますが、競技用のハンドガードには風を完全に遮断する効果はないため、ツーリングに向いていない点に注意です。

なお、昔はレバー類を守るためにアーマーハンドガード(アルミ芯)だけを付けるカスタムを見かけましたが、現在は絶滅しプロテクターと組み合わせて装着するのが一般的になっています。

ハンドルバーでマシンの方向性を決める

KLX230 ストリートMX。SXハンドルバースーパーモト ミディアム使用

ZETA RACINGのマウントバーを活用したCL250

トレールバイクのハンドルは無数にあり、その中から一つを選ぶことは特に初心者にとっては難易度が高いでしょう。最近のハンドルバーの流行りについて寺尾店長は「昔はテーパーバーが最新でかっこいいとされていましたが、新しさがあまり感じられなくなっているため取り付ける人は少なくなりました。今は、別にテーパーバーじゃなくてもいいんじゃないかという考え方が増えています。さらに、ハンドル周りを快適にしていくという流れで、最近のバイクを見るとハンドル周りのマウントも人気を集めています。USB出力がついていることはマストで、スマホホルダーやグリップヒーター、GoProのマウントなどをつける感じで、ガジェット類が増えているのも特徴的です」と分析します。

寺尾店長おすすめ製品

ZETA RACING コンプリートハンドルバー

ZETA RACING
コンプリートハンドルバー
価格 :¥15,400(¥13,860)

ハンドルバーのおすすめはZETA RACINGのコンプリートハンドルバーです。スイッチボックス取り付け用の穴が元から加工されているため簡単に交換ができます。また、コンプリートハンドルバーはツーリングとスポーツの2タイプがあり、自分の走りによって選ぶことができます。

寺尾店長いわくコンプリートハンドルバー選びが、マシンカスタムの方向性を決める第一歩だと言います。

「選択の基準は、高速道路でロングツーリングしたいならツーリングタイプ、林道も走りたいなら引きが浅い方が良いのでスポーツタイプというように、自分がどんな走りをしたいかで選びます。CRF250Lを買うのかCRF250Rallyを買うのかというバイク選びから始まり、ダートフリークに来てコンプリートハンドルバーを手に取って、まずはスポーツかツーリングかを選ぶ。この選択が、自分のバイクの系統や方向性を作っていきます。カスタムを通して自分の走りや好みに仕上げていくまさに第一歩になると思います」(寺尾店長)

2nd Step:もっとかっこよく、もっと見た目に変化をつける電装系&ガードカスタム

2つ目のステップは、電装系とガードのカスタムです。

KLX230ストリートMX。UFO PLAST ファイヤーフライ-S ヘッドライト使用。

「昔はヘッドライトがプラスチックレンズで暗く、さらには純正の見た目に満足しないからUFO社のエンデューロ向けヘッドライトなどに交換すると言う人が多くいました。一方、今はLEDを搭載しているため純正ヘッドライトの明るさや見た目で満足する人が増えているため、カスタムの需要は低くなっています。純正マシンで不満に思った点をカスタムでより良くするというよりは、純正でもかっこいいけど、もっと見た目をかっこよくしたいという気持ちがあってカスタムする人が増えていると思います」(寺尾店長)

寺尾店長が話す通り、長所をさらに伸ばしたい、ファッション性をもっと高くしたいという傾向は現在のカスタムの特徴でしょう。

寺尾店長おすすめ製品

ZETA RACING フォグランプ(開発中)

純正品の質が高くなった今、あえてカスタムする動機はファッション性を求めての場合がほとんど。そこでおすすめなのは、ZETA RACINGで開発中のフォグランプです。難しい作業工程はなく、ポン付けできる簡単さが魅力の一つで、さらにスマートな見た目を意識して作られています。

ZETA RACING 701 LED フラッシャー

ZETA RACING 701 LED フラッシャー テールライト付き

ZETA RACING
701 LED フラッシャー
価格 :¥6,050(¥5,445)

ZETA RACING
701 LED フラッシャー テールライト付き
価格 :¥7,150(¥6,435)

また、15年ぶりに新発売されたZETA RACINGの701 LED フラッシャーもかなりコンパクトなため、スマートな見た目を叶えるのにぴったりです。昔は発光面積が大きくないと明るさを保てませんでしたが、LEDの採用によってその面積が小さくても明るくできるようになったため、そもそもの形状やコンセプトが刷新されていて、今の流れを汲んだデザインに仕上がっています」

https://ride-hack.jp/?p=8228

さらに、1stステップよりも難易度は高いものの、見た目のオフロードっぽさをさらに加えるアイテムとして、ガード類もおすすめです。スキッドプレートやパイプガード、ドライブカバーやヒールガードなどが車体を守る効果と見た目の変化に与える影響大です。

ZETA RACING
アドベンチャーフットペグ
価格 :¥18,700(¥16,830)

また、ライディングの快適性を叶えるために、フットペグのカスタムもマストとのこと。長距離ツーリングや林道を走る時に地面から感じる衝撃は疲労感やストレスの原因となります。ZETA RACINGのアドベンチャーフットペグは取り外し可能なゴムカバーがついており、振動を吸収してくれるためライディング時の快適性を保ちます。もちろん工具なしでゴムカバーを外せるため、林道に入るときはグリップ感を強めるためにゴムカバーを外す、ということも可能です。

https://ride-hack.jp/?p=7148

3rd Step:デカールやパーツの加工で自分の世界観を作り込む

3rdステップはさらに難易度の高い、技術が必要になるカスタム内容です。

モタードスタイルと市街地の相性の良さを再認識するために製作したCRF250L STREET MOTARD。街に馴染むデカールでコンセプトを表現

「例えばデカールを貼って車両をドレスアップしたり、パーツを加工するカスタムは、さらに複雑な工程を踏んでいくため手間に感じたり、どうやれば良いかわからないと諦めたりする人もいるかもしれません。実際にデカールを貼るだけでも、空気がはいらないようにするためにデカールを温めて伸ばしたり、縮めたりしながら施工するのですが、綺麗に貼るのは簡単ではなくスキルが必要です。ただ、さらにこの1ステップ手を加えることで自分の世界観を作り込むことができます」(寺尾店長)

寺尾店長おすすめ製品

ZETA RACING
グラフィックキット CRF250L'23-(MD47)
価格 :¥25,300(¥23,000)

デカールは車体の色味やロゴなどが変わるため、見た目の印象を自分好みにカスタムしやすいです。例えば、ZETA RACINGからCRF250L STREET MOTARDのグラフィックキットが発売されています。デカールを貼ることでバイクが一気に自分仕様になるため、ドレスアップの楽しさを感じてもらえると思います。

今回は難易度別の3ステップに分けてカスタム方法をご紹介しました。まず自分はどんな道を走りたいのか、もっとかっこよくしたいと憧れるのはどういう系統なのかを探り、段階に分けてマシンを作りこんでいってみてください。なお、ダートバイクプラスでは瀬戸店と大阪店にてピットサービスを行っています。今回紹介したカスタムはほぼ対応しているため、自分で作業することに不安がある方はぜひ一度相談してみてください。

https://dbp-store.jp/pit-service/

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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