DFGブランドから発売されているオフロード向けのACEヘルメットは、公道ツーリングにもレースにも使える懐の深さが魅力。1年を通して使いこんでみました!
DFG
ACEヘルメット
¥22,000
気温の上下激しい北海道ツーリングへ
2024年にデビューしたばかりのDFG ACEヘルメットは、軽量かつ脳を衝撃から守ってくれるERT素材の導入など、コストパフォーマンスに優れていながら充実した機能を持っています。様々なオフロードバイクのエントリーユーザーに合わせるべく、レースユースはもちろんのこと、公道ツーリングにも対応。1年をかけて、このACEヘルメットを編集部で使ってきたロングタームレポートを紹介しましょう。
まず、昨年の9月は北海道のキャンプツーリングへ出かけました。9月の北海道と言えば、昼間は30度を超える暑さ、夜間は10度くらいまで気温が下がる寒さで、気温が乱高下します。ACEヘルメットはシールドの無いオフロードヘルメットなので、隙間風がゴーグルとヘルメットの間から入ってくるのは否めないのですが、ゴーグルにノーズガードをつけることで寒さを防ぐことが出来ます。特に羅臼峠の寒さは格別で、羅臼町から上っていくにつれてどんどん気温が下がっていったのですが、厳しい冷気が逆に心地よいほどでした。もちろん、10度を下回るような冬のツーリングでは、その隙間風が寒さに繋がってしまうので、ネックウォーマーなどの装備と併用したいところ。ちなみに、シールド付きヘルメットだと冬場に曇りやすいのですが、ゴーグルはかなり曇りに強く寒い時期のツーリング使用にもメリットがちゃんとありますよ。
高速域では意外なACEヘルメットの強みが見られました。ACEヘルメットはバイザーの角度が固定式なのですが、角度を変えられるタイプのバイザーだと風圧でバイザーがゆさぶられ、強風時には大変な思いをするのですが、そういったことは一切ありません。
さらには、インカム用のスピーカーホルダーもちゃんと備わっています。北海道ツーリングはソロだったため、時に好きな音楽を流して旅情をアゲましたよ。
ヘルメットが苦手なジュニアにも好感
この北海道ツーリングで使用したMサイズのACEヘルメットは、中学生の子供が久々にオフロードバイクに乗る際にも活躍してくれました。どんなヘルメットを被っても、耳が痛いと訴え、さらにはその痛さが原因でバイクに乗るのが億劫になってしまった小学生時代でしたが、ACEヘルメットはどこも痛くないとのこと。
ヘルメットのおかげかどうかは定かではありませんが、久々にオフロードバイクに乗って楽しかったらしく、お父さんに次はいつ乗れるのかと聞いてくるほど。装備が身体に合わなかったり、着替えが面倒だったりして、子供がバイクから離れてしまうのは時々聞く話ですが、小学生高学年ならACEヘルメットのS、中学生ならMサイズでぴったりの可能性があります。価格も手頃なので、ぜひジュニア向けにも検討してみてください。
林道ツーリングで感じるスポーツ性能
何度か林道ツーリングにも出かけてみました。廃道に近いような林道では、レースに負けず劣らず汗だくになるような場面も少なくありません。こういった場面では、ACEヘルメットの優位性は非常に高いですね。
まず、しっかりチンガードの部分に開けられた通気口が素晴らしい仕事をしてくれます。ツーリング向けのシールド付きオフロードヘルメットは、こんなに解放感のある口元ではないので、息が荒くなるようなシチュエーションでは苦しくなってしまうのです。ACEヘルメットは、オフロード走行のことを120%考えられているだけあって、スポーツ性能はバツグン。

内装に仕込まれた新素材ERTが、衝撃を吸収してくれます

もちろん内装は取り外して洗濯可能

チンガードに余裕があるため、息をしやすくスポーツ走行に向いているんですね

ゴーグルにノーズガードを装着すると、肌の露出もあまりなく、雨天も快適です
軽さもこういった激しいライディングでは効いてきます。汗を大量にかいたり、泥まみれになるオフロードでは、ヘルメットの内装には汗を含んでしまうし、外側には重い泥がこびりついてしまって、ちょっとした重さが積み重なることで疲労に繋がってくるのです。しかも、内装はすべて外して洗濯機で洗えるから、いつでも清潔に保てますよ。
デカールでイメージチェンジ
ACEヘルメットは、別売されているヘルメットデカールでイメージチェンジできるのもポイントです。ヘルメットをイメチェンするにはペイントするのが一般的でしたが、最近では素材が良くなったこともあって、デカールでもキレイに貼れるようになりました。ACEヘルメットの場合、カーブ部分が少なく比較的平面で構成されているところも、貼りやすいポイントです。
編集部で使っているACEヘルメットは、レースにツーリングにと使い回されているため、若干キズが目立ってきていたので、デカールで隠せてしまうのも好都合ですね。
デカールキットはドライヤーやヒートガンを使うことで貼りやすくなります。熱を加えるとデカールのビニールは柔らかくなり、縮んだり伸びたりするのです。
ポイントは伸び側ではなく縮み側。ヘルメットのような凸面に貼る場合はデカールの面積が余りますよね。このあまったヒダ状の部分をやさしく熱してあげて指で押してあげると、デカールがヘルメットのカーブにあわせて縮んでくれます。伸ばして合わそうとすると失敗しがちなのでお気を付けて! なお、ACEヘルメット用デカールは設計の妙で、ドライヤーやヒートガンなしでも貼りやすくなっています。
デザインは日本を代表するペインターBPMによるもの。レースにも、ストリートにも映える素敵なグラフィックですよね。