10月3日(金)〜5日(日)の3日間にわたって開催される、モトクロスの国別対抗戦「モトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)」に今年も日本代表チームが出場します。その日本代表ライダーに、ダートフリークのサポートライダーである大倉由揮選手と中島漱也選手、また下田丈選手が選ばれました。日本を背負う3名の経歴や実力、大会にかける思いとは? MXoNと日本代表ライダーを深く知るための事前情報をまとめました。
2025年のモトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)
今年で78回目となるモトクロス・オブ・ネイションズ(以下、MXoN)は、モトクロスの国別対抗戦として年に1回行われている歴史ある大会です。2025年はアメリカ・インディアナ州にあるアイアンマン・レースウェイ(Ironman Raceway)が会場となり、日程は10月3日(金)〜5日(日)までの3日間です。アメリカでの開催は6回目になりますが、同会場で行われるのは今回が初めてとなります。

2022年アメリカ開催時
MXoNはMXGP(450cc)/MX2(250cc)/MX OPEN(排気量自由)という3つのクラスが設定されていて、代表メンバーが各クラスに1人出場します。モトクロスは基本個人戦ですが、MXoNは国別対抗のチーム戦のため、そのポイントスケールも特別です。
予選は各チーム3人のうち成績の良い2名のポイントを合算して総合順位を決定します。ポイントの合計が少ない順に順位が決まり、1位から19位までのチームが決勝に進出できるという仕組みです。20位から32位のチームはB決勝(敗者復活戦)へ進出し、33位以下のチームは予選敗退となります。
日本代表は1990年に初めてMXoNに参戦し、毎年ではないものの継続的に出場。今回は2024年に続いて2年連続でのエントリーとなります。これまでの最高順位は2000年と2003年に獲得した6位。直近の2022年・2024年はB決勝敗退という結果で終えており、予選通過・決勝6位以上の入賞を果たせるかに注目が集まります。
2025年MXoN日本代表メンバー
2025年の日本代表には、日本人で唯一AMAスーパークロス・プロモトクロス・スーパーモトクロスシリーズ250クラスでトップを争う下田丈選手、全日本モトクロス選手権IA1クラスで現在ポイントランキング3位につける大倉由揮選手、IA2クラス2024年チャンピオンの中島漱也選手という、各クラスでその実力と存在感を示すライダーが揃っています。
MXGPクラス(450cc):下田丈 選手
MX2クラス(250cc):中島漱也 選手
OPENクラス(排気量自由):大倉由揮 選手
AMAの舞台で日本人唯一の活躍を続ける、下田丈選手

2024年D.I.D全日本モトクロス選手権参戦時
下田丈選手は三重県鈴鹿市出身で、2002年05月16日生まれの23歳。10歳の頃にアメリカへ拠点を移し、レース活動を開始すると、2016年に全米アマチュアモトクロス選手権スーパーミニ2クラスでチャンピオンを獲得。2019年にAMAシリーズにてプロデビューを果たすと、その翌年にはAMAスーパークロス選手権250SX EASTでランキング3位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きます。そして2021年、日本人ライダーとして史上初めてAMAスーパークロス選手権で優勝。さらに2022年にはAMAプロモトクロス選手権250クラスで日本人初の総合優勝を達成し、年間ランキング2位という快挙を成し遂げます。2023年はプロモトクロス250クラス3位、初開催となったスーパーモトクロス(SMX)250クラスでも2位と、トップ争いの常連としての地位を確立しました。2024年にはホンダのファクトリーチーム「Team HRC」に移籍し、2025年はAMAプロモトクロス選手権250クラスで総合優勝を3回達成するなど成長著しく、日本人として数々の“初”を記録しています。
ここに注目! 2025年AMAプロモトクロス選手権で見せた成長

2024年D.I.D全日本モトクロス選手権参戦時
MXoNへの出場は2022年以来2度目。前回の参戦時を振り返ると、予選は2度の転倒により12位。B決勝でも転倒を喫し11位と、悔しさの残る結果に終わりました。しかし当時から3年が経った今年の戦績を見ると、AMAプロモトクロス選手権ではポイントリーダーのヘイデン・ディーガンとトップを争うライダーとして存在感を強め、総合優勝を3回獲得。MXoNの会場となるアイアンマン・レースウェイで行われた第9戦では、2ヒートともに2位で総合2位という成績を残しています。コースの攻略方法なども知り尽くす下田選手は、世界で活躍するその実力でチームを牽引してくれるでしょう。
なお、下田選手は普段250ccマシンでレースをしていますが、MXoNでは450ccのマシンで出場する予定ということで、その走りにも注目が集まっています。
3度目の参戦。出場経験が一番多い最年長、大倉由揮選手
大倉由揮選手は大阪府出身、1998年12月23日生まれの26歳です。現在はHonda Dream Racing Bellsに所属し、全日本モトクロス選手権最高峰であるIA1クラスで活躍しています。
2012年に近畿モトクロス選手権ジュニアクラス、2013年には国内A級クラスでチャンピオンを獲得。2016年には全日本モトクロス選手権IB OPENクラスのチャンピオンに輝きIAクラスへ昇格。2022年からIA1クラスに参戦し、2024年はシリーズランキング4位で終えています。また、シーズンオフやインターバル期間には、数ヶ月間ヨーロッパへ海外トレーニングに行き実力を伸ばしており、2025年は第4戦中国大会で今季初優勝&総合優勝を獲得。着実に成長し結果に繋げている、勢いのあるライダーです。
ここに注目! 代表選手の中で最多出場、3回目にかける想い

2024年参戦時
MXoNには2022年・2024年と2度の出場経験があり、今年で3度目の参戦となります。代表メンバーの中で最も出場経験の多いライダーであり、かつ最年長でもあります。これまでのMXoNでの経験を生かした走りに注目が集まります。
大会に向けて意気込みを聞くと、
「1回目に選ばれた時は素直に嬉しい、楽しみって気持ちが強かったのですが、3回目になると、今年こそは決勝に行くぞという責任感が結構強いです。1回目の2022年以降、海外トレーニングへ行って、2024年に2回目のMXoNに出場して、今(2025年)もインターバル期間でヨーロッパでトレーニングを重ねてきました。1回目の出場時よりも自分のモトクロスにおける経験値はかなり上がっているので、それを結果に繋げたいです」
と、2回の経験を経て大会の雰囲気に慣れ、チームとしての結果を見据える冷静さと責任感を強く持っている様子。3年かけて伸ばしてきた実力がどう結果につながるのか、その行方に目が離せません。
ポイント
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夢に見ていたMXoNの舞台へ初挑戦、中島漱也選手
中島漱也選手は東京都出身、2002年8月14日生まれの22歳。YAMAHA BLUCLU RACING TEAMから全日本モトクロス選手権IA2クラスに出場しています。2019年に全日本モトクロス選手権IB OPENクラスでチャンピオンに輝くと、その後も飛躍を続け、2024年にIA2クラスでシリーズランキング1位を獲得。2025年はディフェンディングチャンピオンとして優勝を重ね、現在同クラスのポイントランキングトップに立っています。
ここに注目! 海外での経験を積み、ついに夢の舞台へ
中島選手のシーズンオフやインターバル期間での動きを見ると、トレーニングのためにニュージーランドやアメリカへ赴き、海外での経験値を高めています。実際、これまで「MXoNに出場することが夢」だと公言しており、ついに今年、その夢が叶いました。
「日本代表に選ばれて、国を背負って走ることができるというのはめちゃくちゃ嬉しいです。MXoNに向けて、このインターバル期間(7月〜8月中旬)では開催国であるアメリカを選んでトレーニングを重ね、大会に向けて自分ができることは全部やるという気持ちでスキルアップに励みました。自分にとっては初めてのMXoNなので、もちろん不安はあります。大会当日の会場の雰囲気に呑まれてしまうんじゃないかというのもその一つにあったので、アメリカで事前にその雰囲気や生活に慣れることができたと思いますし、大会当日を迎えても戸惑わず、リラックスして臨めると思っています。当日を迎えないとどうなるかわからないこともありますが、一発勝負の舞台で自分の100%を出せるように、集中して走り切りたいです」(中島選手)
ポイント
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一人ひとりがこれまでの経験と熱意をかけて挑みます。そんな勇姿を見せる日本代表チームを応援しましょう!