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ロールオフとティアオフ、その違いと正しい使い分け

オフロードレースでは、視界の確保が走りの質を大きく左右します。ではゴーグルに砂や泥がついたらどうするか。ゴーグルに装着したフィルムを剥がすことで、クリアな視界を取り戻すのです。そのための代表的なアイテムが、ゴーグルに装着するティアオフとロールオフの2種類のフィルム。それぞれの特徴の違いは? 使い分け方は? 2つの違いを整理していきます。

ティアオフとロールオフの違い

ティアオフ

DFG
ティアオフ ブリッツ用
¥2,750(税込)
https://dfgmoto.jp/d8979/


DFG
ティアオフセット スピード用20枚入り
¥2,750(税込)
https://dfgmoto.jp/dg1422-0101/

ティアオフは、レンズの上に透明なフィルムを重ね、汚れたら一枚ずつ剥がしていく仕組みです。構造が非常にシンプルで、視界の広さも確保できるのがメリットです。

一方、ティアオフワンセットに装備されているフィルム枚数には限りがあるため、泥が激しいコンディションでは枚数が足りなくなることがあります。また、走行中にフィルムを剥がす動作が必要で、慣れるまでは難しいことも覚えておきましょう。

なお、山中などにフィルムを捨てることは自然破壊につながるため、多くのエンデューロではティアオフの使用を禁止しています。どちらかというと、モトクロス専用のシステムと言ってもいいかもしれません(かつては生分解性のフィルムが開発されたこともありました!)。

ティアオフにはラミネートティアオフという特殊なものもあり、こちらはフィルムが密着しているため枚数を重ねても透明度が高いのが特徴です。SCOTTの「ワークス プロスタック ティアオフ」という商品は7枚がラミネートされています。マディのモトクロスレースでは30枚以上重ねるライダーもいますよ!

SCOTT
ワークス プロスタック ティアオフ(7枚x2セット) プロスペクト/フューリー
¥5,500(税込)

https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/4547836386008/

ロールオフ

DFG
ロールオフキット(スピードゴーグル用)
¥7,480(税込)
https://dfgmoto.jp/dg1430_0211/

ロールオフは、レンズ左右のカートリッジに巻物状に巻かれたフィルムを、紐を引くことで瞬時に巻き取るシステムです。ティアオフとちがって、1セットで何度も視界をクリアにできること、そして剥がして捨てることが前提のティアオフとはちがって自然に優しいため、エンデューロで使用されることが多いです。

一方で、フィルムの内側に泥が入り込んでしまったり、水分で張りついてしまったりすることもあります。対策用のグッズやレンズも販売されています。雨の強さや、マディのひどさなどによって、セッティングを替える必要があります。また、通常のロールオフは幅40mm程度ですが、昨今の最新モデルは50mmの幅広タイプを採用しており、より広い範囲で視界を確保することができますよ。

なお、DFG スピードゴーグルは、ロールオフとティアオフの両方に対応可能。ロールオフの上からティアオフを装着することで、スタート時にはティアオフで広い視界を手に入れ、周回時にはティアオフよりも耐久性のあるロールオフを運用するという使い方も可能です。問題は、ゴーグルによってティアオフもロールオフも用意されていない場合もあることです。たとえばDFGではスピードゴーグルはティアオフ、ロールオフ共に用意されていますが、ブリッツゴーグルはティアオフのみが用意されています。オプションのラインナップは、ゴーグルを選ぶ際の重要な要素なのです。

レースや慣れによって使い分ける

使い分け方について、寺尾店長は「レースによってはティアオフが使えないとルールで決まっています。そのため、レースに向けて用意する場合は、まず使える種類を確認することが大切です。もし両方使えるのであれば、視界が広いティアオフの方がおすすめです。ただ、ヘビーマディだとティアオフが足りなくなっちゃうという場合もあるので、その場合はロールオフを選びましょう」とのこと。

よくある失敗例

① ロールオフのセッティングミス

ロールオフで多いトラブルは、フィルムの張力不足です。新品であっても適正なテンションがかかっていないと、視界の歪みや泥の侵入につながります。一度セットして巻き取ることで適切なテンションがかかる仕組みなので、レース前に何度かテストしておくといいでしょう。

ダートバイクプラス瀬戸店の寺尾店長によると「巻き戻しをやりすぎないことが重要です。適正な張りで使うと、視界の安定感は明らかに変わります」とのこと。

また、前述した通り水で張りついてしまうこともあります。特にひどい雨の場合は、SCOTTであればアンチスティックグリッド(https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/4547836386121/)などの対策オプションを使いましょう。

② ティアオフを一気に剥がしてしまう

特にティアオフを使い慣れていない初心者に多いのが、ティアオフを一気に剥がしてしまうミス。ロールオフのように故障などによるリスクはないものの、使い慣れないと重ねているティアオフを一度で全部剥がしてしまい、走行の序盤で使い切ってしまうということも珍しくありません。

いつ剥がす or 巻き取るの?

ロールオフもティアオフも、どちらも左手で剥がす/巻き取るものです。ここで問題になるのは、不安定なオフロードでいつその動作をするのかということです。モトクロスの上級者ともなれば、唯一休める(!?)と言われるジャンプ中に剥がすのが定石。特に大きいジャンプでは滞空時間も長く、視界を確保するチャンスなのです。雨の日の観戦ポイントとしても注目ですね。

さて、ジャンプ中に手を離すなんてことできない、というあなたにおすすめしたいのは、まずコースサイドに止まってゆっくり落ち着いて剥がす方法です。もちろんレースで停車することはできれば避けたいところですが、自信が無ければ後続車に十分注意して止まっちゃいましょう。ついでにハイドレーションバッグから水分補給して落ち着くのもありです。マディレースというのはトラブルがつきもの。少し止まったくらいでは、順位に影響がないことも多いのです。

少し余裕が出てきたら、直線で操作できるようになるといいでしょう。剥がしている最中はあまりアクセルを開けられないかもしれませんが、やはりそのくらいのスピード低下では、そこまで順位に変動がないものです。思い切って、アクセルを少し緩めにしてみましょう。

どちらのアイテムも、永久に使えるものではないので無くなったらピットインが原則です。ピットイン時には、ゴーグルだけでなくグローブも変えると気分一新出来ますよ!

ロールオフとティアオフに、絶対的な優劣はありません。大切なのは、状況に合った選択と正しい使い方。選ぶ時に思い出し、自分にあったアイテムを選んでみてください。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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