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モトクロスの”入り口”を作る。44キッズクロス2026年の新たな挑戦

2022年にスタートした「44キッズクロス」が、今年で5年目のシーズンを迎えました。全日本モトクロス選手権IAライダーの小島庸平氏と株式会社ダートフリークが「いつか海外へ羽ばたくライダーを育てたい」という思いのもとに立ち上げたこの大会は、2026年シーズンにいくつかの変更が加えられました。単なるルール改定ではなく、大会そのものの立ち位置を問い直す、5年目ならではの決断です。今年の変更に込めた思い、そして「キッズクロス」であることの意味を、小島庸平氏に改めて聞きました。

44キッズクロスってどんな大会?
44キッズクロスは、50cc〜85・150ccマシンを駆るキッズライダーのためのモトクロスレースです。中部地方を中心に、年間5戦が開催されます。クラス構成は初心者向けの「ファースト50」から、競技志向の「スーパー65」「85/150」など、初心者から上級者までレースを楽しむことができます。キッズ用電動バイクで競い合う「MOTO-Eクラス」もあり、電動キッズバイクのシリーズ戦は日本唯一です。なお、モトクロスライセンスは不要で、大人も子どもも参加できる「エンジョイクラス」も設けられているため、とりあえず出てみたいという方でも気軽にエントリーできます。

44KIDS★CROSS 2026シーズン 全5戦
第1戦:4月26日(鈴鹿ツインサーキット)
第2戦:5月17日(いなべモータースポーツランド)
第3戦:6月21日(名阪スポーツランド)
第4戦:9月27日(いなべモータースポーツランド)
第5戦:12月13日(鈴鹿ツインサーキット)

入り口になるレースがない」

「最初の4年間は、どちらかというと”スーパー”と名前をつけた上位クラスに焦点を当てて伸ばしていこうっていう感じだったんです」(小島氏)

小島氏は44キッズクロスを始めた当初を振り返ります。しかし実際に運営を続ける中で、少しずつ見え方が変わってきたと言います。

「地方選手権がある中で、それと同じ立ち位置のものを作ってもしょうがない、と思うようになって。というのも、スーパークラスで競う上位ライダーたちは、そもそも地方選手権を追いかけているライダーが多く、そこをあえて被せるというのは、意味が薄くなってしまうと感じました」(小島氏)

転換点になったのは、2026年3月、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2026 開幕戦の運営でした。小島氏は2026年から、ライダーやチーム監督としてのみならず、全日本モトクロス選手権と中部・近畿地方のモトクロス選手権にあたる中日本モトクロス選手権のいなべ大会の主催を担当しています。小島氏は、全日本選手権、地方選手権、そして44キッズクロスと、日本国内で行われているモトクロスレースカテゴリーを網羅する中で、改めて気づいたことがありました。

「日本のモトクロスレース事情を見てみると、キッズレースって少ないんです。その現実を見た時に、だったらこの44キッズクロスを、モトクロスレースに参加する、入り口となる大会にしていくべきだなって思いました。モトクロスを始めたばかりのキッズライダーが、最初に出るレースとして選ぶ大会。そういう存在になることが、今の44キッズクロスの役割だと考えています」(小島氏)

今年から変わった3つのこと

レースコンセプトの明確化に合わせて、2026年シーズンから具体的な変更が加えられました。

①:トランスポンダーから手集計へ
これまでタイム計測に使用していたトランスポンダーを廃止し、手集計に切り替えました。機器の費用が削減された分、エントリー費を引き下げ、参加する人たちの負担を少しでも減らしています。

「バイクとゼッケンだけあれば出ることができる、くらいの感覚で来てほしいです。最初はタイムが出てこそレースって思ってやっていたのですが、そうじゃなくてとにかくレースを体験してもらうことのほうが大事だって気づき、この体制にしました」(小島氏)

②:一部クラスの参加費を引き下げ
65ccや85ccクラスの参加費も見直し、値下げを実施しました。小島氏は「地方選手権に出るライダーにとっても、経験を積む場として使ってもらいたいです。レースは毎週あるわけではないので、44キッズクロスにも出ることで、レースの感覚を養うことができます」と話します。

③:年間チャンピオン特典の対象クラスをエントリークラスに変更
これまで上位クラスの年間チャンピオンに特典として与えられていたダートフリークサポートの対象が、各排気量の下位クラス(ファースト50/ファースト65・110・Limited50)へと変更されました。これは頑張ったら認めてもらえるという仕組みを、エントリークラスにこそ用意するという判断です。

「今年のテーマは、初参加の敷居をもっと低くしてあげること。ここに来て初めてレースを覚えて、速くなったら中日本や全日本に出る、というような流れを作りたいです」(小島氏)

なお、44キッズクロスの参加者を見ると、5年のうちにキッズライダーは年齢制限を超えたことによって大会を卒業したり、1年目は50ccに乗っていたライダーが65ccにステップアップしていたりと、世代交代も見られ始めました。しかし、そのエントリー数は減ることはなく、毎年新しいキッズライダーたちがエントリークラスから参戦しています。その背景には、44キッズクロスがこの4年間で築き上げてきた環境があります。

「44キッズクロスは中部地方を転戦しているので、エントリーの割合が中部地方のライダーに偏ってはいるのですが、ここ最近は東北や関東に住んでいるライダーも来てくれるようになっているんです。また、今年の開幕戦のエントリーリストを見たら、初めて出場するライダーがすごく多くて驚きました。全日本や地方選手権を主催して思いましたが、やはり44キッズクロスの和やかで和気藹々とした雰囲気は他にはないですし、参加しやすい空気感に魅力を感じてくれているのかなと思います」(小島氏)

全日本があるからこそのキッズクロス

「キッズクロスで頑張ってる子たちに、本当のトップのライダーたちの走りを見せてあげたい。だから全日本を主催したんです」(小島氏)

小島氏が全日本モトクロス選手権の運営に踏み込んだのは、このような思いがありました。

「うち(※小島氏が監督を務めるBells Racing)の大倉だったり琉雲(吉田)だったり、全日本のライダーが、44キッズクロスの会場にもなるいなべモータースポーツランドで全力で走る姿って、めちゃくちゃカッコいいじゃないですか。それを見て『自分もああなりたい』って思うことで、より頑張れるし、上を目指そうと思います。

僕の中では全部、根底は一緒なんです。全日本も中日本も44キッズクロスも、モトクロスを楽しむライダーを1人でも多く増やしたい、その一点で繋がっています。それぞれ別のレースですが、やり方を変えてるだけで、僕が44キッズクロスに込める想いやコンセプトは、1年目から変わっていません」

小島氏の中では、44キッズクロスと地方選手権、そして全日本モトクロス選手権は一本の線でつながっています。44キッズクロスの大会としての立ち位置や体制に変更はありますが、世界へ羽ばたくライダーを育てるための第一歩として、モトクロスレースを体験する一歩として、今年もキッズライダーの背中を押していきます。

2026年の勢力図、注目の44キッズライダーを紹介

4月に幕を開けた44キッズクロス2026シーズンは、5月末時点ですでにシリーズ2戦を終えています。今年はだれが活躍しているのか、第2戦までの結果をもとに、各クラスの注目ライダーを見ていきます。

MOTO-Eクラス|連覇がかかる篠田昇冴

キッズ用の電動バイクで競い合うMOTO-Eクラスの頂点に立つのは、昨年の年間チャンピオン #12篠田昇冴です。開幕戦では両ヒートで完全勝利を収め、今年も勢いに乗るライダーです。スタートの鋭さはもちろん、コーナーのライン取りやスピードの乗せ方に至るまで、クラスで頭一つ抜き出た存在感があります。

そんな篠田を追うのが、長野から参戦している#25山田遥翔です。開幕戦総合4位と安定した走りを見せ、電動マシンへの習熟ぶりや地の利のなさを感じさせない仕上がりを見せています。遠征組ながら篠田に最も肉薄できるライダーと言えそうです。

ファースト50クラス|チャンピオン不在の今年、寺坂真壽が頭角を表す

ファースト50クラス、今年の注目は#91寺坂真壽です。昨年チャンピオンの寺坂茉梨乃がスーパー50クラスにステップアップしたことでファースト50クラスのトップの座は空いていますが、そこに堂々と立っています。開幕戦で両ヒートを制し、早くも今年の中心的存在としてレースをリードしています。さらに、第2戦で優勝した#63内田稜大や、#86大河原陽斗と#555かいり、兵庫から参戦して4位・6位に入った#21佐々木涼馬・#22佐々木春馬兄弟も、上位争いに絡む成長株として注目度が高まります。

スーパー50クラス|寺坂茉梨乃が圧巻のステップアップ初年度

スーパー50クラスでは、ファースト50からステップアップした#90寺坂茉梨乃がいきなり開幕戦を制しました。クラスが変わっても崩れないメンタルの強さと走りの安定感が際立っていて、今年のクラスチャンピオン最有力候補と言っていいでしょう。

そこに真っ向から対抗するのが#78とくおかとうまです。開幕戦は2位を獲得。ヒートごとのペースには安定感があり、シリーズを通して寺坂に次ぐ優勝候補です。さらに、開幕戦では運悪く終盤の転倒に泣きましたが、#24本郷想丞も本来の走りを発揮すればタイトル争いに絡んでくる実力者です。この3人の三つ巴が今年のスーパー50の見どころとなるでしょう。

ファースト65・110・Limited50クラス|電動マシンで現れた圧倒的存在

このクラスで今年最も際立っているのが#52小田楷葦です。昨年MOTO-Eクラスでシリーズランキング2位を獲得した彼が、今年はリミテッド50クラスに出場。NicotのE-WOLFでシーズンを戦います。開幕戦では後続に周回遅れを作るほどの圧倒的なペースでトップを独走。このまま無双が続くのか、それとも挑戦者が食らいついてくるのか、クラスの見どころのひとつになりそうです。

また、#50高村昊と#21高村風生の2人が兄弟揃ってエントリーし、互いに競いながら成長しています。開幕戦は高村昊が2位を獲得。さらに、神奈川から参戦している#51KATO RAYも3位という好成績を残しており、中部勢に臆することなく上位に食い込む走りは目を惹きます。

スーパー65クラス|3名が火花を散らす熾烈な争い

今年のスーパー65クラスは、#4齋藤稀と#59広野康輝、MOTO-Eからステップアップした#12篠田昇冴3名によるタイトル争いが繰り広げられています。特に齋藤と広野は中日本選手権や全日本選手権でも上位を走るライダー。レベルの高いバトルは見ものです。レースは85・150クラスとの混走で3ヒート制。体力的にもタフななかで、齋藤・広野の2人はヒートをそれぞれ分け合う互角の戦いを演じており、1ヒートのミスが命取りになるほどの緊張感があります。

85・150クラス|市澄海の独走を誰が止めるか

昨年スーパー65で上位を争う走りを見せ、今年150ccにステップアップした#73市澄海が、開幕戦でなんと全3ヒートを制覇。いきなりその実力を見せつけました。パワーのある150ccマシンを乗りこなすその実力から、今年のクラス最有力候補と言っていいでしょう。

 

同じくスーパー65クラスからステップアップした#34川村來輝も、トップに迫るライダーとして注目です。開幕戦は2位を獲得した川村は、第2戦で初優勝を獲得。まだまだトップ争いは混戦です。なお、3位以下は#88高橋蓮晟と#191鶴野力隆が続き、こちらも接戦を繰り広げています。

5年目を迎えた44キッズクロス、2026シーズンはまだ始まったばかりです。「モトクロスを始めてみたい」「レースに出てみたいけど、何から始めればいいかわからない」。そんな方にこそ、この大会は開かれています。

https://44kidscross.jp/

次戦は、6/21(日) 名阪スポーツランド
エントリー受付は、6/19(金) 8:50am まで受付けています。
エントリーは、MXentryにて

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アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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