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【Race Report】D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2025 第7戦 第63回 MFJ-GP モトクロス大会

ダートフリークは、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2025 IA1・IA2・レディースクラスに参戦する以下のライダー達と契約を結び、弊社で取り扱うウエアやパーツを提供することでレース活動をサポートしている。そして11月1〜2日、今シーズン最後となる第7戦が開催された。IA1では大倉由揮が逆転で初タイトル、IA2は中島漱也がチャンピオン2連覇を達成。レディースクラスは、川井麻央が5度目の王座を手にし、各クラスでサポートライダーたちが有終の美を飾った。

【D.I.D全日本モトクロス選手権サポートチーム&ライダー】
■IA1
#1 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
#4 大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)
#5 能塚智寛(Team Kawasaki R&D)
#6 大塚豪太(T.E.SPORT)
#7 安原志(八尾カワサキ with ANNEX CLUB)
#8 大城魁之輔(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松)
#10 内田篤基(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS)
#15 渡辺祐介(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM)
#27 小島庸平(BellsRacing)※第5戦にスポット参戦

■IA2
#1 中島漱也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA)
#4 田中淳也(YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松)
#5 柳瀬大河(TKM motor sports いわて)
#6 鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪)
#12 福村鎌(TeamSBE)
#14 吉田琉雲(Bells Racing)
#34 松木悠(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS)
#35 今岡駿太(Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS)
#47 道脇右京(バイカーズステーション金沢レーシングwithMOTUL)

■レディース
#1 川井麻央(T.E.SPORT)
#6 箕浦未夢(TEAM ITOMO)

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11月1〜2日、D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2025 第7戦 第63回 MFJ-GP モトクロス大会が、宮城県にあるスポーツランドSUGOで開催された。サポートライダーたちが出場するIA1・IA2・レディースクラスは土曜日に予選、日曜日に決勝というスケジュールで行われた。また、日の入り時間を考慮してレディースクラス以外はレース時間が5分短縮され、25分+1周の2ヒート制となった。

会場のスポーツランドSUGOは急斜面の大坂や30m超えのビッグジャンプといったセクションや、コーナリングテクニックが試されるヨーロピアンセクションがあり、アグレッシブかつテクニカルな攻防戦が見ることができる。土曜日は前夜の降雨によりショートカットコースが設定されたが、決勝日の日曜日はフルコースを使用してレースが行われた。

IA1クラス

IA1クラスはランキング首位の#1ジェイ・ウィルソンが、ランキング2位の#4大倉由揮に36ポイント差をつけており、ヒート1を完走し、4ポイント獲得をすればチャンピオンが決定するという状況でレースを迎えた。また、今大会にはFIMモトクロス世界選手権MXGP王者の#3ロマン・フェーブル、MX2クラスデビュー1年目にして最高3位を獲得した#118バレリオ・ラタ、タイの国内選手権でチャンピオンに輝いた#47ジラッジ・ワナラックらがスポット参戦をするため、そのトップ争いの行方にも注目が集まった。

ヒート1はフェーブルがホールショットを獲得。ラタがその背後に食らいつくが、フェーブルはすぐに後方を引き離し単独走行へと持ち込む。一方ウィルソンは出遅れたものの序盤に3番手まで順位を上げ、前を追う展開。しかしレース中盤、ヨーロピアンセクションでウィルソンが転倒し、その後ピットエリアへと入る事態に。左手首を痛め、そのままリタイアを余儀なくされる。レースはトップを快走するフェーブルが優勝を獲得。2位にラタ、3位には好スタートから4番手につけていた#8大城魁之輔がポジションを上げてゴールを果たした。なお、大倉由揮は8位でゴールし、ウィルソンとの差は一気に10ポイントに縮まった。

ヒート2、ウィルソンがヒート2欠場を決定したため、ウィルソンは今大会をノーポイントで終えることとなる。これにより大倉が23位以内でゴールをすればチャンピオンを獲得できる状況となった。また同時に大倉の順位によってはランキング3位の大城にも可能性が生まれることに。

レースはフェーブルが先頭に立つと、ラタ、大城と続き、大倉は4番手から追いかける展開。大倉はレース後に「チャンピオンを確実に獲るという思いで挑みました」と語るように、ミスのない走りでレースを進めていく。レース中盤、#37西條悠人が大倉をかわして4番手に浮上。さらに#10内田篤基が大倉に迫り、5番手争いを繰り広げる。一時大倉は内田に前を譲るかたちとなるが、すぐに抜き返し再び5番手へ。結果、フェーブルが他を圧倒する速さで1位、2位にはラタが入賞した。3位には大城が入り、海外勢に食らいつく速さを示した。そして大倉は5位でフィニッシュしたことにより逆転が決定。自身初となるIA1チャンピオンに輝いた。

IA1総合順位

総合順位 ゼッケン ライダー名 チーム名
3位 #8 大城魁之輔 YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松
5位 #7 安原志 八尾カワサキ with ANNEX CLUB
6位 #4 大倉由揮 Honda Dream Racing Bells
7位 #10 内田篤基 Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS
8位 #6 大塚豪太 T.E.SPORT
9位 #15 渡辺祐介 YAMAHA BLU CRU RACING TEAM
- #1 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY RACING TEAM
- #5 能塚智寛 Team Kawasaki R&D

#5能塚智寛は怪我により欠場

IA2クラス

IA2クラスはサポートライダーである#1中島漱也がランキングトップ、#4田中淳也がランキング2位で最終戦を迎え、2人によるシリーズチャンピオン争いに注目が集まった。

ヒート1、序盤で先頭に立ったのは#53ブライアン・シュー。オープニングラップからスムーズな走りで2番手の中島に対してリードを広げる。3番手には#4田中淳也が続き、その後方から#2横澤拓夢や#14吉田琉雲が追い上げていく。中島はヨーロピアンセクションでの細かなミスによりペースが上がらず、徐々に後方との差が詰まる展開に。レース時間6分過ぎには吉田が田中をパスし中島に接近。勢いに乗った走りで2番手へ浮上する。ここから3〜5番手の間隔が詰まり、横澤と中島、そして追い上げてきた#6柳瀬大河による3番手争いが混戦となる。横澤はミスにより後退。柳瀬が3番手に上がり、中島が最後まで追う展開となるが、 結果1位シュー、2位吉田、3位柳瀬、4位中島という順位でゴール。この結果、中島がIA2シリーズチャンピオン2連覇を確定させた。

ヒート2は中島がスタートからトップに立ち、そのまま序盤からレースをリード。中島はレース後のインタビューで「ヒート2はチャンピオンのプレッシャーがなくなり、ただバイクを楽しむことができました」と語った通り、軽やかな走りで後方との差を開いていく。一方、ヒート1で優勝したシューは出遅れるが、レース中盤にかけて追い上げると、中島を追う横澤、吉田、田中とともに上位争いを展開する。シューが田中を攻略すると、その勢いのまま横澤と吉田に迫る。勝負所となったヨーロピアンセクションはわだちが深く掘られ、いくつものラインがあった。ライン選びが重要となる中、横澤がわだちにマシンを取られたことでペースダウンし後退。その隙をついたシューと吉田がポジションをアップ。その後シューが吉田をかわして2番手に浮上するが、コースアウトするミスをし、吉田が2位を奪取。しかしすぐに復帰したシューが再びリズムを取り戻し、吉田を攻略する。結果、独走状態を築いた中島が優勝を獲得、シーズン最後のレースを勝利で締めくくった。2位シュー、3位吉田でフィニッシュ。吉田は自身初の2ヒート表彰台を達成した。

IA2総合順位

ゼッケン ライダー名 チーム名
2位 #1 中島漱也 YAMAHA BLU CRU RACING TEAM TAKA
3位 #14 吉田琉雲 Bells Racing
4位 #5 柳瀬大河 TKM motor sports いわて
7位 #4 田中淳也 YAMAHA BLU CRU RACING TEAM YSP浜松
8位 #6 鴨田翔 Kawasaki PLAZA 東大阪
12位 #12 福村鎌 TeamSBE
14位 #47 道脇右京 バイカーズステーション金沢レーシングwithMOTUL
22位 #35 今岡駿太 Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS
23位 #34 松木悠 Yogibo PIRELLI MOUNTAINRIDERS

レディースクラス

レディースクラスはランキングトップの#1川井麻央と2位の#6箕浦未夢がチャンピオン争いを繰り広げており、その差は35ポイント。予選では箕浦がトップ通過を果たし好調を示した。一方、川井はDNFとならない限りチャンピオン獲得の可能性があるという比較的余裕のある状況であり、シーズンを通しての目標である「全戦全勝でチャンピオンを獲得する」を達成できるのかに注目が集まった。

決勝レース、スタートで#23鈴村永愛と#4楠本菜月が前に出ると、1周目のヨーロピアンセクションで#8穗苅愛香が素早くラインを繋いで先頭へ。サポートライダーの川井と箕浦はその後方に続き、#3川上真花と穂苅を含む4台がトップ争いを展開する。2周目、川井が穗苅を鋭く捉えてトップを奪取。その背後で箕浦と川上の2番手争いが白熱するが、フィニッシュジャンプの立ち上がりで接触したことで箕浦は転倒。すぐに復帰し懸命に前を追いかけるが、マシントラブルもあり戦線離脱を余儀なくされる。

優勝争いは川井と川上の一騎打ちへ。川井がリードを保つ中、川上も大きく離されないペースで追従。最終周に入り、川上は一気に背後まで接近すると、勝負所となったルンバルンバの進入でインを差し逆転。川井は立ち上がりで差し返しを狙うが僅かに及ばず、結果1位川上、2位川井、3位穗苅という順位でゴールした。川井は全勝こそ逃したものの、7戦中6勝で自身5度目のシリーズチャンピオンを獲得。箕浦は9位でレースを終えた。

レディースクラス総合順位

ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #1 川井麻央 T.E.SPORT
9位 #6 箕浦未夢 TEAM ITOMO

今大会で2025年シーズンが閉幕。ダートフリークサポートライダーの活躍は多岐に渡り、シーズンの締めくくりにはタイトル3冠(IA1・IA2・レディース)を手にするという快挙を達成した。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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