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日本人のための視界革命。DFGブリッツゴーグルが、僕らの悩みを解決してくれる理由

海外製ゴーグルだと鼻が浮いてしまう「平たい顔族」日本人。しかし、DFGブリッツゴーグルを試してみると驚くほどシンデレラフィットしました。さらにオプションの「スーパーアンチフォグレンズ」は、全く曇らない魔法のような性能。このフィット感と最強の視界が、この価格で手に入るのは正直事件です

今だからこそ見直したい、「アウトリガー」の本当の価値

 

オフロードバイクを楽しむ上で、ヘルメットと同じくらい、いえ、時にはそれ以上に重要なアイテムが「ゴーグル」です。視界が悪ければ速く走れないどころか、危険回避も遅れてしまいます。しかし、私たち日本人ライダーには、切っても切れない悩みがありました。そう、欧米ブランドのかっこいいゴーグルがどうしても顔にフィットしない、いわゆる「平たい顔族」特有の問題です。

鼻の横に指が入るほどの隙間ができたり、頬骨だけが圧迫されて痛くなったり……。
そんな「ゴーグル難民」だった私が、ついに終着駅とも言える一本に出会いました。それがDFGの新作、「ブリッツゴーグル」です。

DFG
ブリッツ ゴーグル
¥9,900(税込み)
https://dfgmoto.jp/tag/blitz/

顔にフィットするヒミツはフレームの両サイドに飛び出したパーツ、「アウトリガー」と、日本人専用設計のフレームです。「アウトリガーなんて、昔からある古いシステムでしょう?」と思われるかもしれません。しかし、このオーソドックスな機構こそが、今、私たち日本人の顔にとって決定的な役割を果たしてくれるのです。

アウトリガーのあるブリッツゴーグルだとアイレットからバンドを引けるが…

アウトリガーのないスピードゴーグルだと、アイレットの端にバンドが当たってから引くことになります

一般的なアウトリガー無しのゴーグル(バンドがフレームに直接ついているタイプ)を想像してみてください。バンドを強く締めると、フレームの両端がヘルメットの後方へと引っ張られます。すると、柔らかいゴーグルフレームは外側へ広がるように歪んでしまいます。ここでアウトリガーの出番です。このパーツがあることで、バンドの張力はフレームの外側へと逃げます。フレーム自体を無理に引っ張ったり、歪ませたりしません。その結果、ゴーグルは設計通りのカーブを保ったまま、顔全体に均一な圧力で「面」として押し当てられることになります。

実際にブリッツを装着した瞬間、顔にしっかりフィットするとストレスがだいぶ軽減されることに驚きました。私はゴーグルがうまく装着できていないと、コンタクトレンズが乾くことが多かったのですが、そういった悩みもこれで解決できそうです。
自称「平たい顔族」の私にも、吸い付くようにフィットします。この「密閉されているのに、一部だけが痛くならない」感覚は、日本人の骨格に合わせたフレーム設計と、それを正しく機能させるアウトリガーの合わせ技があってこそ実現できたものです。

ヘルメット内部をみても、ほぼ面一になるのがポイント

ハイエンド級の性能をこの価格で。プリカーブドレンズで2年もつスーパーアンチフォグ

フィット感だけでも十分に選ぶ価値があるのですが、ブリッツの真骨頂はここからです。オプション設定されている「スーパーアンチフォグ」仕様のレンズ、これがとんでもない性能を持っています。

通常、安価なゴーグルには平らな板を曲げただけの「シートレンズ」が使われます。これは曲げた部分で光が屈折し、どうしても視界に微細な歪みが生じてしまいます。
対して、数万円するようなハイエンドモデルには、最初からゴーグルのカーブに合わせて成型された「インジェクション成型(プリカーブド)レンズ」が採用されます。DFGは、このハイエンド級のプリカーブドレンズ「スーパーアンチフォグ レースレンズ」を、ブリッツゴーグルのオプションとして用意しました。しかも、驚くほど手頃に2750円で提供されています。

装着した瞬間にわかるのは、裸眼のようなクリアさです。景色が歪まないだけで、脳への負担がこれほど減るのかと驚かされるはずです。

ガレ場を延々走行して、走行風があたらず曇りやすい状況を作りました

そして何より驚愕したのが、その防曇(アンチフォグ)性能です。
テストフィールドは、成田モトクロスパークのガレ場セクション。低速でバイクを暴れさせ、体温は急上昇し、汗が吹き出るような状況でした。湿気と熱気、ゴーグルにとって最悪のコンディションです。
普通ならホワイトアウトして、ゴーグルを投げ捨てたくなる状況ですが、このスーパーアンチフォグレンズは全く曇りませんでした。これには正直、感動を通り越して呆気にとられました。

この通り、まったく曇りがありません

「曇らない」という安心感があるだけで、ライディングの集中力は段違いに上がります。正直なところ、このレンズを使えるという一点だけで、ブリッツゴーグルを選ぶ価値があると言い切れます。

ちなみにブリッツゴーグルには、現時点でロールオフシステムの設定がありません。「エンデューロレースではどうするんだ」という声もあるでしょう。
ですが最近の傾向として、私はあえて「ロールオフ無し」の運用を推奨したいと思います。

ロールオフはメカニカルトラブルのリスクがありますし、どうしても視界の幅が狭まってしまいます。それよりも、最近高性能化している「雨を弾く撥水フィルム」や「撥水コーティング」を、このブリッツのクリアなレンズに施すスタイルがおすすめです。
雨や泥を弾き飛ばし、広い視界を確保する。ブリッツのフラットで歪みのないレンズは、こうした撥水チューンとの相性も抜群です。もちろんティアオフには対応していますので、モトクロス的な運用も問題ありません。

騙されたと思って使ってほしい、極太バンドの安定感

地味ながら素晴らしいのが、幅広のストラップ(バンド)です。
「たかがバンドの太さ」と侮ってはいけません。ぜひ一度、ヘルメットにかけてみてください。幅広のバンドがヘルメットの曲面にガッチリと食いつき、裏面のシリコン加工と相まって、激しく頭を振ってもゴーグルが微動だにしません。

ゴーグルがズレないということは、視界がブレないということです。この「視界にストレスがない」状態が、どれほどライディングを楽にしてくれるか、一度味わうと細いバンドには戻れなくなります。固定力が抜群なので、装着位置を直す手間も激減します。

日本人の顔にジャストフィットする形状、アウトリガーによる均一な装着感、そしてハイエンドモデルを食う勢いの高性能オプションレンズ。
これだけの要素が詰まっていながら、価格は非常に良心的です。「練習用にもう一つ」ではなく、「メインの勝負ゴーグル」として自信を持っておすすめできます。

 

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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