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モトクロスウエアの着こなし術、大城魁之輔が語るこだわりとスタイル

デザインやアイテムの組み合わせでライダーの個性を光らせるのもモトクロスのスタイル。今回は、ダートフリークのサポートライダーであり、2025年D.I.D全日本モトクロス選手権IA1クラスでランキング3位に輝いた大城魁之輔選手に、こだわりのモトクロスアイテム着こなし術を聞きました。ファッションへの興味が深く、複数人で立ち上げたアパレルブランド「コースサイド」に携わる大城選手は、ウエアをどのように選び、どんなコーディネートを楽しんでいるのでしょうか。ウエア選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ウエア選びのこだわりは「素材」

勝ちにこだわるトップライダーほど、選ぶウエアにも理由があるもの。性能・着心地・見た目……、その優先順位は人によって異なります。大城選手はどこに軸を置いているのでしょうか。

「自分は軽くて動きやすく、かつ見た目はタイトめが好みです。身体にフィットしていても動きやすくないと嫌なので、素材には結構こだわりが強いです。今年僕が着させてもらっているDFGのWORXウエアはぴったりとした見た目も動きやすさも両立できていますね」(大城)

大城選手のように自分がどんな素材に着心地の良さを感じるかは、ウエアを選ぶ上で一つの軸になります。モトクロス用品を売る店舗には様々な種類のウエアが揃っているので、着心地の良し悪しがわからないという方は試着することで自分好みを把握できるでしょう。

大城流コーディネート術

「ウエアは勝負服みたいな感じで、レース当日はばっちり決めていきたいのでコーディネートはかなり意識しています」と語るように、モトクロスファッションにこだわりを持つ大城選手。その組み合わせはどのようにしているのでしょうか?

「僕が持っているウエアは基本3色ほどで、ヘルメットは5個ほど、ブーツも練習用含めると3つ以上持っています。特に今年はDFGのウエアのカラーバリエーションが豊富でいろんな組み合わせの選択肢がありました。組み合わせ方としては、まずウエア自体の色やデザイン、サイズ感などがそれだけで強い個性を持っているので、そこに小物を合わせていくことが多いです。ヘルメットも、ウエアに合わせて色やデザインを決めています」(大城)

また、マシンの色もコーディネートに関わってくると言います。

「自分が乗るマシンの色があるじゃないですか。ウエアを選ぶ時にそのメーカーカラーを意識しています。白黒が無難だと思う方が多いですし、実際それはかっこいいんですけど、個性を出すとしたら、見た目の大部分を占めるウエアの色をバイクの色とずらして選ぶと楽しいです。そして、グローブやブーツ、ゴーグルなどの細かいアイテムをバイクの色に合わせるみたいな。色んな色を選択肢に入れて、お気に入りの組み合わせを選んでいます」‎(大城)

実際、大城選手が着用するウエアコーディネートはカラフルで目を引くものばかり。2025年シーズンのウエアを例に見ていきましょう。

原色が目を引くDFGウエアは全体のバランスを重視

DFG
ワークスジャージ トーン ブルー
¥9,900(税込)
ワークスパンツ トーン ブルー
¥29,700(税込)
ソリッド グローブ - レッド/ホワイト
¥4,950(税込)

「DFGのワークスウエアは単色なので、例えばブルーは当然ですが青の主張が強いため他のアイテムは違う色で合わせました。僕が乗っているマシンはヤマハなので、全体的に青く、ウエアとの相性も良いです。ただ、ナンバープレートは赤なんです。この赤の面積が意外と広くて、全体で見た時に目立つので、グローブとゴーグルはこれに合わせて赤を選んでいました。ヘルメットは黒と白のもの、ブーツは白を合わせました。青色が入ったヘルメットもあるのですが、マシンもウエアも青なので、トータルバランスを考えながら組み合わせました」(大城)

DFG
ワークスジャージ トーン レッド
¥9,900(税込)
ワークスパンツ トーン レッド
¥29,700(税込)
ソリッド グローブ - ブルー/ホワイト
¥4,950(税込)

「真っ赤なウエアには、青いグローブと青色が入ったデザインのヘルメットを合わせました。ブーツは赤や青のものも持っているのですが、基本白がかっこよくて好きなのと、足元が明るくなるので白を選びました。これもブルーの時と同じく全体的な青と赤のバランスを考えています」(大城)

DFG
ワークスジャージ トーン イエロー
¥9,900(税込)
ワークスパンツ トーン イエロー
¥29,700(税込)
ソリッド グローブ - レッド/ホワイト
¥4,950(税込)

「黄色いウエアには赤いブーツとグローブ、黄色と赤色が入ったヘルメットを合わせました。個人的に一番気に入っている組み合わせです。黄色はマシンにも入っていない色なので目立ちますし、そこに赤を合わせることでかなり強い印象を残せます。周りの人にも『あれかっこよかったね』って好評でした」(大城)

35周年記念ウエアはデザインを魅せる組み合わせに

「第4戦の中国大会で着たダートフリーク創業35周年記念のウエアは、往年のウエアブランドXTREMEのレプリカウエアということでレトロなデザインが特徴でした。色使いも今までにないような感じで、僕が着たのは白ベースに青・水色・黄色が入っていました。あえて目立つ色を組み合わせるというよりは、シンプルに白ブーツなどを合わせてデザインを邪魔しないようにしました」(大城)

差し色の白がポイントな2026年モデル

「最終戦ではDFGワークスウエアの2026年モデルを着用しました。青と赤は2025年モデルにもありましたが、2026年モデルにはサイドに白が入っていて、印象がだいぶ変わったと思います。あと白黒にワンポイントでゴールドが入ったデザインもあって、それが一番評判が良かったですね。

コーディネートとしては、差し色の白に合わせてブーツは迷わず白を選びました。ヘルメットもちょうど白・黒・ゴールドが入ったヘルメットがあったので、その辺はウエアに合わせました。ゴーグルとグローブはウエアの色によって変えました。赤の時は赤、青の時は青です。ジャージの胸部分に大きめのヤマハのロゴが入っていて、そのロゴが青なんです。これが意外とワンポイントになっているので、青いグローブとゴーグルはかなり合いましたね」(大城)

なお、大城選手のお気に入りのカラーは白ゴールドとのこと。

「3色しか着てないですけど、自分は結構気に入ってますね。赤と青もイメージが違って、色味も違います。結構白が入っていて新鮮です。2025年モデルを着ている時と比べても結構印象が変わったと言われたので、デザインの違いでここまで変わるんだと感じました」(大城)

抑えておきたい細かなお洒落ポイント

インナーは首元から見えないものを

ジャージの下に着るインナー事情も気になるところ。好みにもよりますが、インナーが首元から見えない方がスッキリとしてお洒落に見えるとのこと。 ‎

「基本的にレースの時はDFGのレーシングシャツ クールを着用しています。自分は腕が締め付けられるのが苦手で、袖があるインナーはあんまり好きじゃないため、タンクトップのタイプを好んで着ています。着用感の良さはもちろんですが、お洒落という観点で言うと、首元からインナーが見えないのもポイントだと思っています」(大城)

大城選手のイチオシ、足元を明るくする白ブーツ

ブーツはつま先から膝下までを覆うため、全体的に見ると存在感の強いアイテムです。様々なカラーのものがありますが、大城選手のイチオシは白とのこと。

「白はシンプルだけど、全体で見た時に足元が明るいと華やかになるし目を引くので、一番かっこいいと思っています。ただ、同じ白のブーツでも少しずつ色が違うんです」(大城)

汚れが目立ちやすい白だからこそ、同じ白でも微妙に色が違ってくるそう。

「土の上で使用するものなので、基本的に土がついて茶色くなっていきます。なので、自分はレース用と練習用で分けて履いて、レースで履くブーツは綺麗な白色を保つようにしています。実際、レースだと毎ヒート終わった後に洗うのですが、練習の日は1日の走行が終わった後に洗いますし、2日連続乗る時とかは全然洗わずに2日目も履いたりするので、練習で使うと結構色が変わります。綺麗な白を保つには洗うしかないですね。諸説ありますが、ブラシでこすりすぎると、ブラシでついた傷に砂や土が入って茶色が取れにくくなったりします。なので、僕は洗剤を吹いて少し置いて、洗車機の水圧で流すだけの方が綺麗になったりします」(大城)

インナー派?アウター派? 胸部プロテクターの着こなし

胸部プロテクターはインナー派とアウター派に分かれるアイテム。最近ではインナーにつける人が多くみられますが、海外からの流行りが伝わり、アウターとして着用するかっこよさもあるそうです。

「僕は、レースではウエアの中に着ています。でも練習の時はアウターとして着るのが流行っていて、自分もその流行りに乗っています。 ‎結構前からですが、特にアメリカでは練習の時にプロテクターをウエアの上につけているライダーが多くて。なんならレースでもアウターとしてつけているライダーもいて、ジャージじゃなくてプロテクターにゼッケンが入っている人も多かったんです。 それがかっこいいとなって、自分も真似しています」(大城)

ウエアは単なる装備ではなく、ライダーの気分とパフォーマンスを後押しするものでもあります。色の組み合わせや素材へのこだわりを持つことで、モトクロスをさらに楽しむことができるはず。ぜひ大城選手のコーディネート術をヒントに、ウエアコーディネートを楽しみましょう。

なお、DFGでは2026年に大城選手のオリジナルデザインを施したウエアの作成を企画中。どんなデザインになるのか、お披露目までお楽しみに。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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