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エアフィルターメンテナンスを基礎から学ぼう

まず知っておきたい「湿式」と「乾式」の違い

バイクのエアフィルターには、湿式と乾式の2種類があります。

湿式エアフィルターは、モトクロッサーやエンデュランサーの多くに採用されているタイプです。スポンジ素材にフィルターオイルを染み込ませることで砂や埃を捕まえる仕組みで、洗浄して繰り返し使用することが前提になっています。

一方、乾式エアフィルターは、トレールバイクに多く見られるタイプです。紙や不織布素材で作られており、基本的に洗浄はせず、汚れたら交換するのが正しい扱い方になります。

湿式エアフィルターメンテの基礎

湿式エアフィルターはどうメンテナンスしたらいいのでしょうか? 今回はダートバイクプラス瀬戸店の寺尾店長にその方法を聞きました。

① まず塗ってあるオイルを確認

「エアフィルターを洗浄する前に、まず確認したいのがどのフィルターオイルが塗ってあるかです。基本的にフィルターオイルと同じメーカーのクリーナーを使うと汚れが落ちやすいです。クリーナーによっては、メーカーが違うとなかなか汚れが落ちないということもあります。この確認を怠ると、洗ったつもりでも古いオイルや汚れが残り、結果的にエアフィルター本来の性能を発揮できなくなってしまいます」(寺尾店長)

なお、オイルには石油由来と植物油由来があります。特に石油由来のオイルは植物油由来用のクリーナーではほとんど落ちません。

② 専用クリーナーで汚れを落とす

オイルメーカーがわかったら、洗浄にはそのメーカーの専用クリーナーを使用します。今回メンテナンスをする編集部のエアフィルターはFlat-LAB.のオイルが塗ってあるため、同じFlat-LAB.のクリーナーを使用していきます。Flat-LAB.のクリーナーはフィルターオイルの油分を溶かすための溶剤です。

Flat-LAB.
エアフィルタークリーナー 液体タイプ
¥2,970(税込)
https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/4547836491962/

Flat-LAB.
エアフィルタークリーナー スプレータイプ
¥2,090(税込)

https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/4547836491979/

Flat-LAB.は好みにあわせて液体タイプとスプレータイプを用意しています。エアフィルターにクリーナーをつけて、優しく揉み洗い。この工程で汚れと古いオイルをしっかり落とします。

その後、水で洗って乳化させることでさらに洗浄油分も落とします。そして、最後に中性洗剤で洗う事が必須です。

なお、バケツやトレーなど、洗う際に使用するアイテムは人それぞれですが、おすすめはTwinAirのメンテナンスキットです。液体の場合は、何度かクリーナーを再利用することも可能です。できれば、よごれを沈殿させた後に上澄みを保管するといいでしょう。

また、ベテランの中には昔から灯油でエアフィルターを洗うという方もいると思いますが、寺尾店長によると「今でもガソリンや灯油で洗うケースも見かけますが、スポンジの劣化を早めてしまうためおすすめはできません」とのこと。

③ 陰干し

エアフィルターを洗った後は、水をよく切り陰干しをします。

④ フィルターオイルを塗る

Flat-LAB.
エアフィルターオイル 液体タイプ
¥4,180(税込)

https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/4547836491818/

Flat-LAB.
エアフィルターオイル スプレータイプ
¥3,080(税込)
https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/4547836491825/

フィルターオイルもスプレータイプと液体タイプの2種類があります。寺尾店長のおすすめは液体タイプとのこと。

 

「スプレータイプは手軽な反面、塗りムラが出やすく、内側までオイルが染み込みにくいといったケースが見られます。一方、液体タイプであれば、バケツにオイルを入れてフィルターを丸ごと浸すことができるので、塗りムラが出にくいです。ムラがあると、濡れていない部分から砂埃が入ってしまうので、注意が必要です」(寺尾店長)

オイルを塗った後はねじらずに握るようにして余分なオイルを絞ります。最後に表面のオイルをペーパーなどで表面を軽く拭き取ります。拭き取れる分のオイルは結局垂れてしまうので、この一手間も大事になります。

なお、余ったオイルは再び回収して再利用するといいでしょう。気になる方は別容器に保管するのもありですね。オイルは密閉できる容器にいれておきましょう。

⑤ マシンに装着

フィルターオイルを塗布したあとは、マシンに装着して完了。

しかし、装着してすぐにバイクに乗ることはNGです。

「フィルターオイルには溶剤が含まれていて、この溶剤が揮発して初めて、ネバつき(集塵性能)が発揮される仕組みです。塗った直後の状態では、まだ十分にネバネバしていなくて、砂埃をしっかりキャッチできません。さらに、溶剤が残ったままの状態で組み付けると、フィルターオイルがインジェクターに落ちてしまってエンジンがかかりにくくなる原因にもなります。現場でも「コースでオイルを塗って、そのまま走ろうとしてエンジンがかからない」というケースは珍しくないです。そのため、エアフィルターのメンテナンスは、走行前日の夜までに作業を終わらせることをおすすめします」(寺尾店長)

エアフィルターのメンテナンスは、単なる整備ではなく、走行準備の一部。正しい洗浄方法と適切なクリーナー・オイル選び、前日までに終わらせるといった作業のタイミングなど、細かい注意点も多くありますが、これらを意識してメンテナンスをすることで、バイクを長く楽しむことができます。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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