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ZETA RACINGグリップ全種類比較! あなたにピッタリのオフロードグリップの選び方

ZETAグリップは「ベースグリップ」「ダートグリップ」「エッジグリップ」の3モデル。それぞれ設計思想が明確に異なるため、自分の走りに合った一本を選ぶ目利きが求められます。

グリップの基本

オフロードバイクのグリップ、ステップ、シートはライダーの身体が直接触れるため、マシンの操作性に直結する非常に重要なパーツです。中でも、アクセルワークやハンドリング、手の疲労、さらには「腕上がり」に深く関わるグリップは、硬さや柔らかさ、太さや細さ、形状によって特性が大きく変わり、プロライダーの中にも強いこだわりを持つ人が多いパーツと言えます。

一般的に、細く硬いグリップほど握る手に力が入れやすく、きめ細やかなコントロールが可能となるため、モトクロスなど短時間のスピード競技で好まれる傾向があります。逆に太いグリップは、表面が柔らかいゴムで覆われていることが多く、エンジンやギャップからの振動を軽減して疲れにくいため、クロスカントリーなど長時間のレースやツーリングで好まれます。ただし、太いグリップは握り込むために握力が必要で、腕上がりの遠因になることがあるというデメリットも存在します。

また、グリップ表面の形状(ワッフルの有無)も重要な要素です。ワッフル(格子状の突起)があるグリップは、濡れて滑りやすくなっても指が外れにくく、マディコンディションでも有効です。一方で、ワッフルのないフルダイヤ形状は細くできるため操作性が高いものの、疲れてきた時に指が外れやすいなどの特徴があります。

今回はZETA RACINGのグリップ全3種類を比較記事にしました。それぞれの特徴やメリットを知り、自分に最適なグリップを見つけるための参考にしてみてください。

 

人間工学に基づいて進化したハーフワッフル、ベーシックなダートグリップ

従来のハーフワッフルの弱点を克服し、トータルバランスに優れたオールラウンドグリップとして開発された「ダートグリップ」。

多くのオフロードライダーが行う「ドアノブ握り」(グリップを斜めに握るフォーム)に着目し、ワッフルの格子をドアノブ握りした時の指の角度と同じ斜め方向に配置しています。これにより、親指と人差し指がワッフルに干渉せず、スリムでマメができにくいという特徴を持っています。

一般的なハーフワッフルよりもワッフルの幅が狭く設計されているため、握った時に細く感じ、少ない力で握れて腕が疲れにくくなっています。さらに、中指から小指にかけて徐々に短くなる指の長さに合わせて、エンドにかけてワッフルが広くデザインされており、指がしっかりと引っかかります。実際に握ってみると、中指から小指までワッフルがしっかりフィットし、フルダイヤの細さとハーフワッフルのホールド力を良いとこ取りした設計であることが体感できます。

また、グリップエンドは手のひらが当たっても違和感の少ない特殊形状を採用しています。4ヶ所にワイヤリンググルーブが配置されており、ツバ部分のグルーブをカットすることで、全長を約3.5mm短くでき、ミニモトへの装着にも便利です。コンパウンドの硬さもベーシックで、初心者から上級者まで、モトクロスからエンデューロ、ツーリングまで、あらゆるシーンで「腕上がり」を防ぎ、快適なライディングを約束する新しいスタンダードグリップです。

ZETA
ダートグリップ
https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/093F5240-4547836516962/
¥1,870(税込)
種類:クローズエンド、オープンエンド

 

オプションと組み合わせて完成する、カスタムグリップシステム「ベースグリップ」

「ベースグリップ」シリーズは、グリップを「コア+外層」という2レイヤーで構成するシステム設計が最大の特徴です。ラリーやツーリングなど用途に応じた専用オプションを外側に装着することで、径・硬度・振動吸収性をまるごと変えられる。これが本来の使い方です。

基本となる「ベースグリップ スリム」は、このシステムの土台となるコアグリップです。ワッフルやロゴ、ワイヤリンググルーブすら省いたフルダイヤパターンは、360度均一な表面を実現し、前後の向きを問わない設計。フランジ径57mmはMX系グリップとして最小クラスで、クラッチレバーやスイッチ類との干渉を嫌うレーサーにとっても実用的な数字です。

ベーシックグリップツーリング

ベーシックグリップラリー

オプションを組み合わせた場合の完成形が、「ベースグリップ ラリー」(定価2,420円・税込)と「ベースグリップ ツーリング」(定価2,090円・税込)です。ラリーは厚さ2mmのソフトコンパウンドチューブを装着し、大径化による長距離安定性と泥・水でも滑りにくいグリップ力を両立。ツーリングは厚さ2.5mmのソフトスポンジフォームを巻くことで、握り込むほど指の形にフィットする柔らかさを実現し、長時間走行での振動疲労を大幅に軽減します。ラリー、ツーリングともにセットではなく外側のチューブ・フォーム単品でもラインアップされています。

馬場大貴のJNCC参戦マシン(2022)

なお、スリムをオプションなしで使用するケースもあります。JNCCトップライダーの馬場大貴選手やトライアルIASの野崎史高選手がその代表で、「細さそのものを性能として使う」という意識的な選択です。グリップ径が小さいほど指の屈曲が浅くなり、前腕屈筋群への負荷が減る腕上がりを力学的に遠ざける使い方ですが、これはあくまで上級者がたどり着く一つの答え。スポーツライディングで使うと細いグリップは掌を傷めやすく、振動の影響も受けやすいというデメリットもあります。まずはオプションありきで用途に合わせたセッティングを試すのが、このシリーズの正しい入口です。

ZETA
ベースグリップ スリム
https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/093F5228-4547836356544/
¥1,760(税込)
種類:クローズド、オープン

 

太めなのに疲れない最新デュアルレイヤー「エッジグリップ」

2色のコンパウンドを組み合わせたデュアルレイヤーの「エッジグリップ」。このグリップはやや太めの設計ながら、「太いグリップは握力が必要で腕上がりしやすい」という定説を覆す画期的な機能を持っています。

その秘密は、粗めで高さのある「ビッグダイヤモンドパターン」と、独自の「リブパターン」にあります。全体の80%に粗めでハイトのあるアンチスリップダイヤモンドパターンを採用しており、グローブ越しでもしっかりとしたフリクションを発揮します。そのため、軽い力で握っても滑りにくく、まるで細いグリップを握っているかのような少ない握力でホールドでき、握りすぎによる腕上がりを軽減します。マディ路面でも、高い山のダイヤモンドが泥に強く滑りづらいという利点があります。

また、親指と人差し指がかかる部分は細目のダイヤモンドパターンを採用し、細い外径で握り直しもしやすく、スロットルの操作性に優れています。中指、薬指、小指が当たる部分には高さがあり変形しにくい「アシストリブ」が配置されており、指の引っかかりが良く、自然と綺麗な「ドアノブ握り」のフォームに導いてくれます。この2段形状のおかげで、手からすっぽ抜けにくいフィーリングを実現しています。

さらに、クラッチレバーとの干渉を軽減するコンパクトなフランジ(ツバ径59mm)や、ドアノブ握り時に違和感のない平らなグリップエンド、5ヶ所のワイヤリンググルーブなど、レースユースを前提とした高い機能性が盛り込まれています。ツバ内側をカットすることで約3mm短縮することも可能です。耐久性も高く、トレールバイクのドレスアップや、疲れない操作性を求めるツーリングライダーにも強くおすすめできます。

ZETA
エッジグリップ
https://www.dirtfreak.co.jp/products/detail/zed4914-4547836521287/
¥2,640(税込)
種類:クローズド、オープン

 

あなたにピッタリのグリップはどれ?

ZETA RACINGのグリップは、それぞれ明確なコンセプトに基づいて設計されています。最後に、用途や好みに合わせた選び方をまとめておきましょう。

・極限の操作性とダイレクトなフィーリングを求める方「ベースグリップ スリム」 とにかく細いグリップが好きで、繊細なコントロールを重視する方、または手の小さいライダーにおすすめです。長距離を走る際はラリー用やツーリング用のフォームを追加してカスタマイズも楽しめます。

・太めの安心感が好きで、なおかつ軽い力でグリップしたい方「エッジグリップ」 ビッグダイヤモンドとリブによる強力なグリップ力で、悪条件でもすっぽ抜けを防ぎます。太めが好きだけれど腕上がりが心配な方や、マディを走るエンデューロライダーに一押しです。

 

ダートフリークのカスタムデモ車には、エッジグリップが装着されています

・少ない力でしっかりホールドし、腕上がりを防ぎたいオールラウンダー「ダートグリップ」 進化したハーフワッフルが指にしっかりフィットし、細さと引っ掛かりを両立。モトクロスからエンデューロまで、迷ったらコレ!と言える新定番です。

一方、KTM250EXC-Fにはダートグリップを装着しています

グリップは消耗品であり、ゴムがすり減る前に定期的な交換を行うことが推奨されます。また、走行中のグリップの回転や抜けを防ぐために、DRCのグリップワイヤーなどを用いてしっかりとワイヤリングを行うことをおすすめします。 正解がないパーツだからこそ、様々なグリップを試して、ご自身のライディングスタイルや手の大きさに一番フィットする「運命のグリップ」を見つけてみてください!

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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