ライダー レース 全日本モトクロス

【Race Report】D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 2026 第3戦 21Groupカップ

5月23〜24日、埼玉県川越市のオフロードヴィレッジでD.I.D全日本選手権シリーズ2026第3戦21Groupカップが開催された。

【D.I.D全日本モトクロス選手権サポートチーム&ライダー】

■IA1
#1 大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)
#2 ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
#3 大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
#4 大塚豪太(T.E.SPORT)
#7 浅井 亮太(BLUCRU YSP浜松BOSSRACING)
#14 道脇白龍(TEAM KOHSAKA with トータルカーサービスK)
#47 池田凌(Bells Racing)
#54 道脇右京(バイカーズステーション金沢Racing)
#97 内⽥篤基(Team Kawasaki R&D)

■IA2
#46 吉田琉雲(Bells Racing)
#51 柳瀬大河(Honda Dream Racing)
#55 田中淳也(YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACING)
#58 今岡駿太(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS)
#122 鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪)
#02 島袋 樹巳(Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS)

■レディース
#1 川井麻央(T.E.SPORT)
#2 箕浦未夢(Team ITOMO)
#4 穂苅愛香(BLU CRU TOMOレーシング)
#33 本田七海(TEAM KOH-Z)

https://www.dirtfreak.co.jp/rider/

今大会は今季初の2日間開催。前日まで降っていた雨の影響で路面は少し泥濘んでおり、コースの随所に刻まれた深いわだちがライダーたちの技術と判断力が問われることとなった。スケジュールはIA1・IA2クラスは15分+1周の3ヒート制、レディースクラスは15分+1周の1ヒート制で行われ、総勢6,131名の観客が会場に訪れた。

#97 内⽥篤基(Team Kawasaki R&D)

#4 大塚豪太(T.E.SPORT)

スタートから1コーナーまでの距離が短いオフロードヴィレッジでは、スタートの優劣がレース展開を大きく左右する。そんな中、サポートライダーたちは、スタート時のフロントアップを抑える「ZETA RACING プロラウンチコントロール」を使用し、好スタートを決めていた。さらに、マディコンディションが残っていることもあり、#4 大塚豪太(T.E.SPORT)や#14 道脇白龍(TEAM KOHSAKA with トータルカーサービスK)らはZETA RACING製ハンドガードを装着してレースに挑んだ。

IA1クラス
総合優勝をまとめたウィルソンの強さが際立つ

今大会のIA1を総合で制したのは#2ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)だ。事前練習中に肋骨を骨折した状態でのレースとなったが、3ヒートを通じてトップ争いを繰り広げた。特にヒート2ではホールショットを奪った#97内田篤基(Team Kawasaki R&D)を早々に捉えてトップに立つと、ファステストラップを連発する完勝劇を見せた。

一方、ヒート1では怪我の影響が終盤に出始め、ペースが落ちたところで#3大城魁之輔(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)に前を譲る展開となった。大城は序盤こそペースが上がらなかったものの、さまざまなラインを試しながら徐々にペースを上げ、一気にトップへ浮上。そのまま逃げ切り今季2勝目を手にした。

ヒート3、ウィルソンはスタートで出遅れたが、猛烈な追い上げを見せ、残り2周というところで#1大倉由揮(Honda Dream Racing Bells)との差を約3秒まで縮めた。この追い上げを感じつつトップを走っていた大倉は「残り時間とペースで逃げ切れると判断して、冷静に走りました」と振り返り、そのレースマネジメントが光った結果、優勝を獲得。大城、ウィルソン、大倉の3人が1勝ずつ分け合うという結果でレースを終えた。なお、2-1-2でまとめたウィルソンが総合優勝を獲得した。

#2 ジェイ・ウィルソン
「先週の事前練習中に肋骨を骨折してしまって。ヒートごとに呼吸法やテーピングを変えて、走り方をマネジメントしたけど、特にヒート1は上手くいかなくて、5周目くらいから息が上がってしまった。昨年末に怪我をして、今シーズンは開幕時期が3月に早まったことで回復に充てる時間も短かったから、ようやく今調子が上がってきたところだったんだけど、ここでまた肋骨を折るという……。なかなか上手くいかないけど、これも今の自分に必要な試練だと受け止めてるよ。置かれた状況を変えることはできないから、焦ったりせず、やるべき仕事に集中して次も戦うよ」

#1 大倉由揮
「第2戦から今回までのインターバルでイタリアにトレーニングへ行ってきました。全日本でチャンピオンを獲るためのスキルアップ、そしてレベルの高い環境で走りたかったという想いがあって行かせてもらったのですが、予選の結果が悪くて27番グリッドからスタートして、追い上げる状況でした。ただ、これが今回に生かされて、どの位置からスタートしても1周目に順位を上げることができるスキルが身についてきたと実感しました。3ヒートすべてを表彰台でまとめたかったのですが……、まだ前半戦なのでここからさらに成長していけると考えています」

#3 大城魁之輔
「ヒート1の序盤はペースを掴めませんでしたが、その分いろいろなラインを試すことができました。『あそこが違う、ここなら行ける』と冷静に試行錯誤できたことでペースが上がり、ここぞというタイミングでトップに立つことができました。ライディング、フィジカル、マシンのすべてが非常に調子は良いので、次戦はヒート1のような走りができるようにします」

IA1 総合順位

総合順位 ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #2 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY RACING TEAM
2位 #1 大倉由揮 Honda Dream Racing Bells
3位 #3 大城魁之輔 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
4位 #97 内⽥篤基 Team Kawasaki R&D
5位 #4 大塚豪太 T.E.SPORT
6位 #47 池田凌 Bells Racing
8位 #7 浅井 亮太 BLUCRU YSP浜松BOSSRACING
12位 #54 道脇右京 バイカーズステーション金沢Racing
13位 #500 安原志 八尾カワサキ with ANNEXCLUB
16位 #14 道脇白龍 TEAM KOHSAKA with トータルカーサービスK

IA2クラス
柳瀬と田中のトップ争いが白熱

今大会のIA2クラスで安定した走りを見せたのは#51柳瀬大河(Honda Dream Racing)だ。「バイクのセッティングも調子も噛み合っていたし、リズムも掴めていた」という柳瀬は、濡れたメッシュスタートでの練習も功を奏して3ヒートともスタートを決め、ヒート1とヒート3を制し、総合優勝を飾った。

ヒート2を優勝したのは#55田中淳也(YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACING)。ヒート3では2人がランキング同ポイントに並んだ状態でレースを迎えた。柳瀬がトップ、田中が2番手につき、2人が後続を大きく引き離してバトルが展開する中、レース終盤に田中が転倒。軍配は柳瀬に上がった。

一方でヒート1では、オフロードヴィレッジをホームコースとする#122鴨田翔(Kawasaki PLAZA 東大阪)がホールショットを奪い、地元の声援を沸かせる場面もあった。3ヒートを通じて柳瀬がシリーズをリードする形となったが、田中も全ヒートで上位に食い込む安定感を見せており、シリーズ争いの行方はまだまだわからない。

#51柳瀬大河
「バイクのセッティングも自分の調子も噛み合っていましたし、リズムも掴めていました。濡れたメッシュスタートでもしっかりテストできていたので、その成果が出て、3ヒートともスタートを決めることができたと思います。ここからレースが短期間で続いていきますが、その最初となる第3戦を勝つことができたので、勢いに乗って、一つ一つ優勝を重ねていきたいです」

#55田中淳也
「全ヒート2位以内でまとめることができましたが、柳瀬選手に総合優勝を獲られたというのは悔しいです。優勝できたヒート2は、スタートゲートでイメージトレーニングをしてから臨みました。スタート自体はあまり良くなかったのですが、1コーナーでうまく抜け出せて、最初の4〜5周でしっかりプッシュしてマージンを作って、思い描いていた展開通りに進められたのは良かったです。ヒート3も走り自体は悪くなかったのですが、スタートと最後の転倒が……。タラレバですけど、もし最後まであの距離を保って走り続けられたら、また違う展開があったかもしれない。詰めの甘さというか、悔いが残ります。次に向けて気持ちを切り替えて、もっと強い気持ちで勝ちにいきたいと思います」

IA2 総合順位

  ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #51 柳瀬大河 Honda Dream Racing
2位 #55 田中淳也 YAMAHA BLUCRU RACING TEAM YSP浜松BOSSRACING
2位 #48 横澤拓夢 Kawasaki PLAZA 盛岡 TKM motor sports
6位 #46 吉田琉雲 Bells Racing
8位 #100 住友睦巳 YSP浜松BOSSRACING
9位 #122 鴨田翔 Kawasaki PLAZA 東大阪
16位 #58 今岡駿太 Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS
14位 #53 福村鎌 Team SBE
27位 #02 島袋樹巳 Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS
#60 松⽊悠 Yogibo PIRELLI MOUNTAIN RIDERS

レディースクラス
猛追を振り切った川井、勢いを見せた箕浦

レディースクラスでは、開幕から2連勝を重ね、ポイントランキング首位に立つ#1川井麻央(T.E.SPORT)が今大会も盤石に見えたが、蓋を開けてみると、湿気や気温の影響でキャブレターのセッティングが最後まで合わず、「このバイク走ってないな」と感じながらのレースだったという。それでもスタートで飛び出した#2箕浦未夢(Team ITOMO)をすぐさま交わしてトップへ立つと、2番手に浮上した#14川上真花(YSP浜松 BOSSRACING)の粘り強いアタックを「差が詰まる場所を見ながらラインを封じる」という頭を使った走りでかわし続け、最後までトップを譲らなかった。

一方、得意のスタートでホールショットを奪った箕浦は、練習とセッティングを煮詰めて自信を持って今回のレースに臨んだ。しかし、荒れた路面と深いわだちを攻略しきれず、3位でフィニッシュを果たした。しかし、序盤でのリード、そして川井に抜かされた後も離されずについていった走りには勢いが溢れ、次戦での活躍に期待が高まる一戦となった。

#1川井麻央
「キャブレターのセッティングが合わず、このバイク走っていないなって感じるくらい苦戦していました。その分今回は頭を使って、ライン取りやバックマーカーを上手く利用しようと走りました。結果は優勝できましたが、何度もミスをしてやらかしまくりだったし、自分の実力ではもっと離せたと思います。次のSUGOも路面は荒れやすいですが、自分は得意なので、優勝を目指していきます」

#2箕浦未夢
「スタートが決まって、序盤はトップ争いに加わりながらも落ち着いて走れていました。事前に練習を積んで、セッティングも煮詰めてきたので、自信はありました。ただ、川上選手に抜かれた後、焦りからミスが重なり、集中力が切れたことでさらに差を広げられてしまいました。3位で表彰台には登れましたが、課題も多く残っています。2週間後の菅生大会まで時間がありませんが、さらに調整を進めてトップに食らいついていきたいです」

レディースクラス 総合順位

  ゼッケン ライダー名 チーム名
1位 #1 川井麻央 T.E.SPORT
3位 #2 箕浦未夢 TEAM ITOMO
4位 #33 本田七海 TEAM KOH-Z
5位 #4 穂苅愛香 BLU CRU TOMOレーシング

各クラスで今大会ならではのドラマが生まれた第3戦。次戦は6月6〜7日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。ダートフリークサポートライダーたちの走りに、引き続き注目していただきたい。

 

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

-ライダー, レース, 全日本モトクロス