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K4?K8? PODニーブレースの後悔しない選び方

ニーブレースブランドPODがラインナップするK4とK8シリーズ。どちらを選べば良いのか悩む方も多いでしょう。2つを比べると素材や価格の差が目立ちますが、実は設計思想やフィット感にはっきりとした違いがあります。特にK8は、最新モデルの「3.0」で大きく進化し、膝の守り方そのものをアップデートしています。今回はそれぞれの特徴と価格差の意味を整理することで、ニーブレースの最適解を探ります。

15年以上使い続けられている設計思想

PODのニーブレースは、2006年の登場以来、基本構造を大きく変えずにアップデートを重ねてきました。また、ヒンジ部に採用されている人工腱「リガメント」をはじめ、リプレースメント用の部品も細かく揃っているため、消耗品を交換していれば10年以上使い続けることができます。

ニーブレース自体、フレームが割れるほどの大クラッシュが無ければそのまま使い続けられるケースが大半ですが、細かい部品の故障に際して、PODは修理のたびにメーカーへ送る必要がありません。ユーザー自身で交換できることが、長く愛用されている理由なのです。なお、PODを取り扱うダートバイクプラス瀬戸店の寺尾店長によると、ユーザー数が非常に多いこともPODならではの強みだと言います。

「たとえばコースでリガメントが切れてしまっても、PODは多くの人が愛用しているブランドなので、誰かしらがスペアを持っているという状況が起こりやすいんですよね。iPhoneのライトニングケーブルなんかもそうじゃないですか。特殊なものなんだけど、iPhoneユーザーが多いから充電ケーブルを忘れても誰かに借りられる。そんな安心感もあると思います」

「3.0」で進化したK8。K4との違いが明確に

PODのニーブレースには「K4」と「K8」の2つのシリーズがラインナップされていて、基本的な構造は共通です。大きな違いは素材にあり、グラスファイバー製のK4がスタンダードモデル、カーボンを採用するK8が上位モデルとして位置づけられています。ただし、現行のK8 3.0では設計思想そのものがアップデートされ、素材以外にも違いが明確になっています。

写真左:K4 2.0、写真右:K8 3.0

K8の従来モデルはフレーム全体を硬くして膝を“囲って守る”という考えのもと設計されていましたが、K8 3.0は上部のフレームに従来と同様カーボンを使用して硬さを保持しつつ、下部にはゴムのような弾力性を持ち合わせるTPU(熱可塑性ポリウレタン)製の「ライブアダプティブロワーフレーム」を採用し、より足にフィットする構造になっています。

実際に力を加えてみると、写真青色部分がグッとしなり、従来モデルやK4よりも脚にフィット。さらに左右2本の剛性コンポジット製ストラット(写真赤色部分・右のみ)がすねの両側をホールドする構造となっています。強度と柔軟さを兼ね備えた新フレーム採用により、転倒時に膝下がフレーム内で回転するリスクを低減しています。

他にも、K8 3.0はヒンジが新しくなり、耐久性が向上。膝のガードはこれまで薄手のプラスチックカバーでしたが、3.0ではラバー素材を採用し、クッション性も高めています。

K4 2.0

K8 3.0

さらに、K4とK8の大きな違いはサイズ展開にあります。K4はXS/S、M/L、XL/2XLの3種類で3サイズ共通のフレームのため、微妙にサイズが合わないという場合はパッド厚を調整してサイズを合わせます。これに対し、K8は4種類のフレームを用意していて、より最適なサイズを見つけやすくなっています。

寺尾店長いわく「たとえばですが、K4ユーザーでSサイズ寄りのMサイズの人がM/Lサイズをつける場合、少し余裕がある部分をパッドの厚みで調整するのですが、フレームそのものの大きさは変わらないので、サイズを完璧には最適化しにくいのです。その点、K8は足の太さや骨格に合わせて4サイズから選択できるため、よりフィット感が良くなり、安心して体の一部として使うことができます」とのこと。

「ニーブレースは価格が高ければ高いほど良い」、寺尾店長が語る”+6万円”の意味

K4 2.0とK8 3.0の違いは、先述した通り素材や構造、機能性やサイズ展開にあります。しかし、購入に踏み切る際にもっとも気になるのはやはり価格でしょう。

K4 2.0:¥91,300(税込)
K8 3.0:¥156,200(税込)

実際に2つの価格を見てみると、その差は約6万円。これは買う側からするとかなり大きな差です。価格が高い方で本当に良いのか、ニーブレースの選び方について寺尾店長に聞きました。

「たとえば、ブーツやグローブは価格が高ければ良いというものではありません。使うシーンがモトクロスなのかエンデューなのか、はたまたツーリングなのか、用途や好みで選択基準は変わってきます。一方で、ニーブレースは守る部位が明確で、機能性に応じた効果も大きい。価格が高ければ高いほど守るための機能性も充実しているので、より良いものをお求めになるのであれば値段で決めてしまっていいと思います。PODにはスタンダードモデルのK4と上位モデルのK8の2つがありますが、初心者が上位モデルを選んだからといって性能をもて余すことはありませんし、ニーブレースがライディングのパフォーマンスを妨げることはないです。上位モデルの方が価格が高いですが、予算に余裕があるなら上位モデルのK8を選んで間違いはないです。

ただ、6万円という差はやっぱり大きいですよね。この価格差をどう納得するか、というところだと思います。現時点で言うと、K8 3.0で新しくアップデートされた膝の守り方が自分にマッチするかどうかがポイントなのではないでしょうか。今回のアップデートは、数十年ぶりのフルモデルチェンジと言えるほど大幅に変わっていますし、細部の違いも大きいので、そこに納得して、予算との折り合いがつくかどうかですね」

なお、ニーブレースと同じく、膝を守るプロテクターとしてニーシンガードがあります。値段は1万5000円〜2万円と手に取りやすいため、購入時に迷う方もいるかもしれません。ただ、ニーシンガードはニーブレースと同等のものと勘違いされがちですが、構造から全く異なります。ねじれに対する効果や関節を守る強度は無いため、この明確な違いは理解しておきましょう。

自分の膝を守るためのニーブレース。PODのK4とK8は、どちらも高いプロテクション性能を備えた信頼できるモデルです。ただ、K8はアップデートによって構造やフィット感が大きく進化しており、その違いは実際に手にするとよりはっきり感じられます。膝をしっかり守るために、それぞれの特徴を理解したうえで自分に合ったニーブレースを選びましょう。

  • この記事を書いた人

アニマルハウス

世界でも稀な「オフロードバイクで生きていく」会社アニマルハウス。林道ツーリング、モトクロス、エンデューロ、ラリー、みんな大好物です。

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